この事態における教員ICT研修四方山話Part2<和敏>

 5月1日に、文部科学省から「分散登校を行う際には、進路の指導の配慮が必要な小学校第6学年・中学校第3学年等の最終学年の児童生徒が優先的に学習活動を開始できるよう配慮すること。併せて、最終学年以外の指導においては、教師による対面での学習支援が特に求められる小学校第1学年の児童にも配慮すること。」という通知文が出されました。他の学年の学力保障はどうなるのか?という問題は、今は取り扱わないことにします。
 しかし、児童生徒がどのような形であれ登校すれば、「3密」対策は必須でしょう。各学校は、どのように対応するのか、今から考えておかなければ間に合わないと思います。
いずれにしても40人近くの児童生徒が一つの教室で授業を行うことは難しいと思われます。分散登校というが、そんなに簡単なことではないように思います。1クラスを2つに分けて・・・ということも言われていますが、人材の確保等非常に難しい問題があります。
 期待に胸膨らませ、登校してきた子どもたちの思いに応えられるよう、まだまだ学校は工夫の日々を続けていく必要があると思います。
ICTを積極的に活用して、こんな取組・研修を行っているという、四方山話を書いてみたいと思います。

=子どもたちを迎え入れる前に=
★校内LANの活用
 登校可能になっても、今まで通りの学校生活は難しいと思われます。皆さんは、どんな学校生活を想像しているのでしょうか。キーになるのは「3密」でしょう。「3密」を回避しながらの授業は、遠隔授業に近いものではないでしょうか。そう考えると、ICTの活用も必要になってくると思います。登校できない今、様々な取組を行っている学校や自治体があります。登校可能になったときには、これらのノウハウが必ず役立つことでしょう。
登校できないときは、インターネット経由ということで、いろいろ制限があったことと思いますが、登校してくれば、校内LAN(WiFi)で実施でき、少しは自由度が増すのではないでしょうか。端末もある程度は整備されていると思います。やれなかったことが、やれるようになるかもしれません。(文部科学省2019年3月 教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数5.6人/台 校内LAN整備率90.2% 無線LAN整備率34.5%)
ある学校では、1クラスを2つに分け、同時に授業を進めていく方法を模索していると聞きました。ICTを使うとすれば、テレビ会議システムを活用したり、カメラとプロジェクタをつないだりして、子どもたちが互いの教室の様子を観ることができる環境を作り、授業を進めていくことを考えているようです。(空き教室があれば)また、集会等も諦めるのではなく、学校にある設備等でやれる方法はないか、真剣に考えておられます。
先生方みんなで考え、取り組んでいけば、必ず可能性が見えてくると思います。今は、そんなことを考え、準備する時間も確保していくことが重要かもしれません。

★主体的・対話的で深い学び
 文部科学省の通知には、「身体的距離を確保した座席配置」として、「児童生徒の席の間に可能な限り距離を確保し(おおむね1〜2メートル)、対面とならないような形で教育活動を行うことが望ましい。」と書いてあります。
一方、学習指導要領には、「主体的・対話的で深い学び」とあります。
感染症対策として「3密」は避けなければならいですが、授業を行うものとしては、グループでの対話は、実施していきたいと願っているのではないでしょうか。こんな時も、ICTを活用したグループ活動はできないかと、話し合うことが大切だと思います。テレビ会議システムが校内でも活用できれば、グループでの対話は簡単にできます。また、イヤホンマイクを使って、グループの話し合いを行うことも考えられるでしょう。授業を進めることばかり考え、以前のような一斉型詰め込み授業に戻ってしまうことは避けなければならないと思います。テレビ会議システムを使ってのグループセッションも、家庭から行っていたときより、他のグループの様子が観られることによって、効果が大きくなると期待できます。

学校現場は、子どもたちが登校し始めてからの学校生活をシミュレーションしていくことが大切になっています。そんな中、「3密」を避けることを考えると、やはりICTを活用することになると思います。そして、ここでの活用が、1人1台のPC時代を築く土台となっていくのではないでしょうか。
また、子どもたちとどんな学校生活・授業を行っていくか話し合い・研修を重ねていくことで、きっと素晴らしいアイデアが生まれ、これまでと違う学校生活・授業が創り上げられていくのではないでしょうか。


          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31