この事態における学校でのICT活用四方山話 Topic3<神戸>

緊急事態宣言が関西3府県でも解除され、段階的緩和がさらに進んでいくことでしょう。緩和されつつも、「3密」を避ける手立てが講じられ、今までとは違った「新たな日常」の様子が、多数報道されています。学校も、緩和されたからといって、以前と同じように授業等を進めていくことはできないでしょう。緊急事態宣言が解除され、子どもたちが登校し始めたときが、新たな取組のスタートになるのではないでしょうか。
 学校が、「3密」を避けるための一つの方法として、分散登校があります。分散登校で、登校できない子どもたちのためには、学校から配付されるプリント教材や、動画教材が考えられますが、ここでは、テレビ会議システムについて考えてみたいと思います。
 テレビ会議システムを使って、どんな形の分散登校ができるかは、Topic2で紹介させていただきました。今回は、テレビ会議システムそのものについて、先生方とのおしゃべりから耳にした四方山話を書いてみようと思います。

◆ 教室で行う授業と、オンラインで行う授業との併用が、これからの「学校の新たな日常」となるかもしれません。そうなると、各自治体・学校は、オンライン授業を行うためのシステムを選択しなければなりません。教育専用のテレビ会議システムは、あまり聞いたことがありません。企業がテレワークで使っているシステムを、教育でも活用しようとしているところが多いのではないでしょうか。ところが、授業と会議とでは、どうしても違いがあります。
 オンライン授業では、授業に参加している子どもの雰囲気や表情を把握することがやや困難です。特に、小学校や中学校の授業では、子どもたちの表情や反応で、授業を変化させていくことが多くあります。そうなると、少なくとも参加している子どもたちの表情が見られることが、大切なポイントとなってくると考えられます。分散登校を行う場合、40人学級を半分に分けて登校させる学校では、20名程度の顔が見られるシステムがあるといいと思います。また、学級単位や学年単位で分散登校を行う学校となると、36〜40名程度の顔が見られるシステムが必要になると思われます。
 あるテレビ番組で、大学教授が「オンライン講義中、多くの学生は、ビデオを停止させています。だから、真っ黒な画面に向かって一生懸命話しかけているのです。」と仰ってました。と言うことは、多くの参加者の顔が見られなくても、特に問題はないということです。せいぜい、発言者(講演者)の表情が見られれば十分と言うことになりますね。
 どんな授業を計画しているか、どんな学年(年代)のオンライン授業かを考えてシステムを選ぶことと、子どもたちとの約束事を決めていくことがとても大切になってきます。

◆こんなテレビ会議システム?
 テレビ会議システムは、動画配信と違って、リアルタイム双方向の授業が可能になっていくのではないでしょうか。新学習指導要領の趣旨から考えても、一方通行の一斉型授業にならないような工夫は、これからの授業づくりの重要なポイントとなっていきます。
 そのような点を考慮し、次のようなことができるテレビ会議システムがあると、少しは教室で行う授業に近づけると思いませんか。
 1) 参加者全員の表情が見られる。
 2) 参加者全員の作業内容が見られる。(PC画面やノートなど)
 3) グループでの話し合いができる。(話し合い、資料等の共有が可能)
   教師は、すべてのグループの様子がリアルタイムに一覧できる。

今、思いつくことはこの程度になりますが、実践を重ねていくことで、さらにいろいろ出てくることと思います。

 今後は、教室の授業とオンラインの授業の併用が円滑に行われ、どんなときにも、子どもたちの学びが途切れることなく保障されるよう、1人1台のPC導入と、それを活かせるシステムの導入が課題となっていくことと思われます。

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