この事態における学校でのICT活用四方山話 Stage3<神戸>

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Stage2の「動画配信」は、ある意味一方通行な部分があることは否めません。普段の授業は、教師の発問や動きに対して、何らかの反応が子どもたちにあるものです。その反応が、さらに深い学びへとつながっていくところに授業の面白さがあると思います。
 そこで、オンライン授業を少しでも普段の授業に近づけていきたいという思いから、四方山話を書いてみようと思います。

Stage3 つながるための双方向授業づくり
★ 動画配信のその後に
いろいろな形で動画配信が行われています。しかし、その動画を観た子どもたちの「分からない」「何故だろう」という疑問や感想・意見をどう子どもたちにつなげていくのかで、先生方は苦慮しているようです。ある学校では、動画の最後に、「意見や質問はメールで!」と示し、学校の代表メールアドレスを紹介していました。これだけでも、子どもたちの学びを大切にしようとしていることが感じられます。学校と子どもがつながる手段として、メールを使うのはICT活用としても意義のあることだと思います。その後、その疑問を発信者に返すのみでなく、新たな課題として、学年の子どもたちへ投げかけ、子どもと子どもをつないでいこうとしているのです。ただ単に動画配信するより、かなり有効だと思いませんか。しかし、どうしてもタイムラグがあるため、間延びしないよう、つなぐ内容も、普段の授業以上に吟味しなければならないようです。
GoogleのClassroomやEDUCOMのスクールライフノート等を使うことで、疑問や意見を即座に共有することができます。そこから、友だちの考えやアドバイスを読み、課題を解決したり、学びを深めたりしていくことが可能性になっていくと考えられます。(通常の授業でも活用でき、さらに大きな効果が期待できます)
 この事態、動画配信を行うことは、とても価値のあることだと思います。しかし、それだけではもったいないと思いませんか。動画配信のその後に、チャット的なものや、ポートフォリオ的なものを入れることで、子どもをつなぎ、学びを深められれば、さらに価値あるものになっていくと思います。

★ テレビ会議システムの活用
このような事態になり、急激に学校教育に入ってきた「テレビ会議システム」を活用した「オンライン授業」。「動画配信」との違いは、リアルタイムに授業者が子どもたちの顔を見ることができること、子どもたちが授業者や友だちの顔を見ながら、授業に参加できることです。子どもたちの表情が見られるから意図的指名ができ、子どもの「分からない」をすぐに共有でき、子ども同士の話し合い・聴き合いができるところです。さらに、グループでの学び合いも可能になります。そう考えると、かなり普段の授業に近いことができるようです。しかし、目の前に子どもがいるわけではないですから、手元でやっていることが分からなかったり、分からない子どもが、隣の子にそっと聞いたり、周りの子の様子をモニタリングしたりすることは難しいです。こんな点から、授業者が子どもと子どもをいかにつないでいくかが、とても大切な要素となっていきます。
 授業スタイルは、Stage2の「動画配信」でも書いたように、普段の授業を行ってほしいと思います。スライドショーを一方的に説明しているような、よく見かける動画配信のスタイルではなく、子どもたちの思考に寄り添って、子どもたちの言葉を板書したりして、一時間の授業の流れが、カメラを通して子どもたちに分かるようにしていくとよいのではないでしょうか。折角、画面を通して、対面しているのですから。そのメリットが十分に発揮できるようにしてほしいものです。
それでも、目の前に子どもたちがいる教室での授業のようには、なかなか出来ないと思います。
得意な子どもは、それなりに学んでいくでしょうが、不得意な子は、一人だけでは困難な場面が多くなり、孤立してしまうかもしれません。「分からない」子どもを、通常の授業以上に大切にし、生かしていくよう心がけていく必要があります。また、保護者の協力は不可欠だと思います。十分な理解が得られるように努め、子どもたちを支援していただき、授業を進めていけることを願っています。

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