端末で児童の「心の天気」表す 民間ツール活用(日本教育新聞2021年7月19日 8面記事)

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 学校現場への校務支援システムの提供で知られるEDUCOM(愛知・春日井市)は6月20日、1人1台端末の活用に関するフォーラムをオンラインで開催した。1人1台端末を使った実践については、大阪市立滝川小学校の原宏次校長が同社の「心の天気」や「学びの天気」を使った取り組みなどを発表した。支援システムによる変化について3人の校長が討論するプログラムなどもあった。
 「心の天気」は、登下校時にその時の気分を、晴、曇、雨、雷から選択するもの。「学びの天気」は、授業のまとめや振り返りを記録する「学習ノート」上で、学習の理解度などを天気で表すことができる。
 原校長は、端末の配備について、学校目標の「児童一人一人が大切にされる学校づくり」を実現するチャンスと捉えたという。ツールとしては、学校生活での出来事を端末に記録できる「スクールライフノート」を活用、「心の天気」「学びの天気」は、この機能の一つだ。
 同機能の長所は、子どもが自分の気持ちを簡単に示すことができ、教職員もその変化に気付くことができる点。雨や雷を選択した子どもがいれば、すぐに「どうしたの?」と声を掛けることができる。
 同校では、児童たちの記録を、

 ・ライフログ(生活面)
 ・スタディログ(学習面)
 ・アシストログ(指導面)

 ―の三つに整理し、教職員で共有している。
 児童の情報を簡単に確認できることから、他学年や他の学級の様子をつかめるようになった。担任が一人で問題を抱えるような場面が減り、教職員全体で児童の課題にアプローチしやすくなったという。
 原校長は「教員がクラスの壁を越え、児童の現状を把握できるようになったおかげで、教員同士による子どもに関わる話題が増えた」と雰囲気の変化を語った。
 この日の「EDUCOM元気な学校づくりフォーラム2021」では、玉置崇・岐阜聖徳学園大学教授が総合司会を務め、EDUCOMの柳瀬貴夫代表取締役CEOや授業と学び研究所職員などが登壇した。
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