できない理由を探すことより、できることから始めましょう(大西)

今回の緊急事態宣言で、学校と子どもたちのつながりこれまでなかったほど分断されてしまいました。子どもたちや保護者との直接のコミュニケーション手段が制限されてしまった今、子どもたちの状況を何とかして知りたいと先生方は思っていることでしょう。学校休校でも先生方はこの状況に対応するため忙しく働き、頭を悩ませていることと思います。

学校がこのような事態に対応するために持っているリソース(資源)は限られています。そのリソースをどのように使うかが状況改善の鍵となります。
学校では平等であることを非常に重んじます。今では普通になった保護者への一斉メール配信も、「携帯を持っていない保護者がいるから全員には知らせられない」といった理由ですぐに実現しなかったことを思い出します。この他にも、「緊急なのにすぐに見ない人はどうする」「個人情報の問題でメールアドレスを教えてもらうことはまずい」といったことも実現を妨げる理由となりました。
ここで考えてほしいことは、2つあります。一つは、全員同じでなくてもそのことで大多数に大きなメリットがあれば、やるべきだということです。だからといって少数を切り捨てろということではありません。少数への対応をていねいにすればいいだけなのです。携帯を持っていない、登録を拒否する方への代替手段を講じればよいのです。
もう一つは、できない理由ではなく、そのできない理由をクリアすることを考えることです。ネガティブを見て止まってしまうのではなく、ネガティブを克服すれば前へ進めると考えるのです。メール配信をすぐに見てくれないことへは、「事前にこのような事態になったときは、メール配信で連絡します」とくり返し周知することや、ホームページや電話連絡などの代替手段を考えることです。私が開発のお手伝いをしたシステムでは、メールを読んだことを知らせてもらう機能をつけ、読んでない方には別の方法で知らせるようにしました。また、個人情報であるメールアドレスを登録するのに、学校からは登録サイトを保護者に知らせるだけにして個人情報を直接管理しないようになっています。要はできるようにするために工夫をすることなのです。

子どもたちの様子を知りたいという先生から、オンラインの会議システムを使いたいという要望をよく聞きますが、それに対して、全員を対象とできないからとそこで検討を止める学校と実現する方向で知恵を絞る学校とに分かれています。地域によって学校や保護者の状況は違いますから一概には言えませんが、オンライン会議に参加できる環境があるかを調査し、条件を満たす子どもが一定数いるので、できない子どもには学校の機器を貸与して実現している学校もあります。一方、全員と連絡できない、用紙を回収して集計が大変・・・といったことで、環境の調査すらしていない学校もあります。

子どもの課題を先生が一生懸命印刷して、子どもたちに時差出校させている学校もあります。ホームページを通じて各家庭でダウンロードしてもらい、その環境がない子どもにだけ紙で配布している学校もあります。全員同じにこだわらず、学校にある限られたリソースの一つであるホームページを有効活用しようとする姿勢があるかどうかの違いで状況は大きく変わるのです。

そしてもう一つ、こういった柔軟な対応を妨げるのは学校や先生の横並び意識です。ある学校が先陣を切って新しい対応をすると「あの学校がやっているのに何でやらないのか」といった苦情が保護者からくるので、全員で足並みをそろえようと待ったがかかる。ある先生が子どもたちへのメッセージを動画でアップしたいと言ったら、「私はできないからやってもらっては困る」と止められたりすることもあります。今は非常時です。少しでも子どもたちプラスになることを素早く実行することが求められます。そうではなく、「私たちもやりたいから教えて、手伝って」と言ってほしいのです。

アンケートをつくってオンラインで集計することができるホームページシステムもあります。全員に電話で様子を聞くことは大変ですが、こういったアンケートを使うことで、手軽に子どもたちの様子を知ることができます。連絡のない子ども、アンケートの結果が気がかりな子どもに対象を絞ってていねいに対応することができます。学校と保護者の双方向の連絡ができるシステムを使えばより緊密なコミュニケーションをとることが可能です。こういったシステムがないからできないと諦めるのではなく、少しでもそこに近づけるよう工夫して動いてほしいのです。
企業も学校を助けるためにいろいろな支援を無料で行っています。無料だと言っても使うためには準備も手間もかかります。それを乗り越えようとするかどうかの姿勢が問われているのです。

今回の事態への対応が、これからの時代に対応できる学校かどうかの試金石となります。子どもたちのために学校や先生が何をやろうとしているかを地域や保護者もみています。できることから始めましょう。

この事態における学校と保護者と地域四方山話 実体験編 <栗木>

 世界中で、人類の「生命」を守るための取り組みがなされています。医療現場でご自身や家族の危険を感じながら懸命な治療にあたってくださっている多くの人々、感謝の言葉も見つかりません。事の大小を問わず「生命」の安全確保に向けて自粛したり、知恵を出し合ったりしている今、「想定外」の出来事の連続に葛藤しながらも、今まで築いてきたものを根本から見直す、そんな機会が訪れています。とりわけ学校は、その「見直し」を最も余儀なくされています。しかし、現実は、休校に次ぐ休校で「見直し」どころか「やり直し」の連続。正直疲れてしまっている学校関係者も多いのではないでしょうか。その気持ちは痛いほど理解できます。

というのも、個人的な話になってしまいますが、この3月末まで現職として学校現場にいたからです。コラム一回目はその経験と感じたことを「生き証人」として記します。
 
昨年末頃から囁かれ始めたコロナ感染への心配。大変なことになりそうだと思いながらも、どこか他人事でした。目の前に迫った卒業式に向けて学校が一丸となって動いていた時期でしたから。2月末、状況は一転しました。教頭という立場上、様々な決断や先を見越しての準備はもちろん、地域や保護者への説明や対応にも追われました。一つ計画して対応しても次の日には違う事態になってやり直し。次の日ならまだしも朝と夕方では対応を変えないといけないこともありました。緊急メール配信には大変お世話になりました。お詫びの連続でしたけれども。
 
中でもつらかった対応は、「卒業式への来賓、在校生参加不可」の時です。勤務校は小規模校で地域密着型の中学校でした。保護者も地域関係者も「おらが町の子どもたち」として見守ってくださり、80%近い生徒が地域行事にボランティア参加する学校です。ある区長さんは「あの子たちを祝ってやれんのか」と残念がってくださいました。今でもその時の声が頭の隅に残っています。職業人体験でお世話になった地域の花屋さんが、「人が少なくて会場も寂しいでしょう、これを飾ってください。」と大きな大きな胡蝶蘭を貸してくださいました。生徒がボランティアで訪れていた児童館の職員さんが、「会場に入れないのならせめて」と手作りの横断幕をもって沿道から見送ってくださいました。つらいのは学校だけではなく、地域の皆さんも一緒でした。それでも学校に力を貸してくださることにただただ感謝でした。地域とともにある学校づくりをすすめてきてよかったと思いました。
 
卒業式で、地域の方々の思いを卒業生に伝えました。「皆さんを直接お祝いできなかったことをとても残念がっていらっしゃいました。皆さんは、地域の一員として今まで育ててもらいました。そして、これからもその一員であることに変わりはありません。地域を守り、地域を育てていける人としてこれからも温かい気持ちを大切にしていきましょう。」と。卒業生は頷いて聞いてくれました。学校のホームページ作成機能を使って、卒業証書授与の様子を掲載しました。ホームページをご覧になれないご高齢の方もいらっしゃるので、その写真と文章を通信にして回覧して頂きました。今思えば、出席いただけなくてもメールで餞の言葉を頂戴したり、あるいは通信をお礼の手紙に添えてお渡ししたりすればよかったと後悔しています。が、バタバタしているうちに退職してしまいました。
 
今回のことで、もしかして「来賓参加を見直せた」という方もいるかもしれません。でも、学校というのはやはり学校だけで完結するものではないし、教職員や児童生徒だけの場ではありません。いずれは地域に帰っていく児童生徒を預かって育てるのが学校です。新学習指導要領で求められている「社会に開かれた教育」の必要性を実感しました。また、今までやってきたことの本質が想定外の事態の時に表れるとも思いました。

 「見直す」のは時短のためではありません。「不易流行」、芭蕉の精神です。


この事態における教員ICT研修四方山話Part2<和敏>

 5月1日に、文部科学省から「分散登校を行う際には、進路の指導の配慮が必要な小学校第6学年・中学校第3学年等の最終学年の児童生徒が優先的に学習活動を開始できるよう配慮すること。併せて、最終学年以外の指導においては、教師による対面での学習支援が特に求められる小学校第1学年の児童にも配慮すること。」という通知文が出されました。他の学年の学力保障はどうなるのか?という問題は、今は取り扱わないことにします。
 しかし、児童生徒がどのような形であれ登校すれば、「3密」対策は必須でしょう。各学校は、どのように対応するのか、今から考えておかなければ間に合わないと思います。
いずれにしても40人近くの児童生徒が一つの教室で授業を行うことは難しいと思われます。分散登校というが、そんなに簡単なことではないように思います。1クラスを2つに分けて・・・ということも言われていますが、人材の確保等非常に難しい問題があります。
 期待に胸膨らませ、登校してきた子どもたちの思いに応えられるよう、まだまだ学校は工夫の日々を続けていく必要があると思います。
ICTを積極的に活用して、こんな取組・研修を行っているという、四方山話を書いてみたいと思います。

=子どもたちを迎え入れる前に=
★校内LANの活用
 登校可能になっても、今まで通りの学校生活は難しいと思われます。皆さんは、どんな学校生活を想像しているのでしょうか。キーになるのは「3密」でしょう。「3密」を回避しながらの授業は、遠隔授業に近いものではないでしょうか。そう考えると、ICTの活用も必要になってくると思います。登校できない今、様々な取組を行っている学校や自治体があります。登校可能になったときには、これらのノウハウが必ず役立つことでしょう。
登校できないときは、インターネット経由ということで、いろいろ制限があったことと思いますが、登校してくれば、校内LAN(WiFi)で実施でき、少しは自由度が増すのではないでしょうか。端末もある程度は整備されていると思います。やれなかったことが、やれるようになるかもしれません。(文部科学省2019年3月 教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数5.6人/台 校内LAN整備率90.2% 無線LAN整備率34.5%)
ある学校では、1クラスを2つに分け、同時に授業を進めていく方法を模索していると聞きました。ICTを使うとすれば、テレビ会議システムを活用したり、カメラとプロジェクタをつないだりして、子どもたちが互いの教室の様子を観ることができる環境を作り、授業を進めていくことを考えているようです。(空き教室があれば)また、集会等も諦めるのではなく、学校にある設備等でやれる方法はないか、真剣に考えておられます。
先生方みんなで考え、取り組んでいけば、必ず可能性が見えてくると思います。今は、そんなことを考え、準備する時間も確保していくことが重要かもしれません。

★主体的・対話的で深い学び
 文部科学省の通知には、「身体的距離を確保した座席配置」として、「児童生徒の席の間に可能な限り距離を確保し(おおむね1〜2メートル)、対面とならないような形で教育活動を行うことが望ましい。」と書いてあります。
一方、学習指導要領には、「主体的・対話的で深い学び」とあります。
感染症対策として「3密」は避けなければならいですが、授業を行うものとしては、グループでの対話は、実施していきたいと願っているのではないでしょうか。こんな時も、ICTを活用したグループ活動はできないかと、話し合うことが大切だと思います。テレビ会議システムが校内でも活用できれば、グループでの対話は簡単にできます。また、イヤホンマイクを使って、グループの話し合いを行うことも考えられるでしょう。授業を進めることばかり考え、以前のような一斉型詰め込み授業に戻ってしまうことは避けなければならないと思います。テレビ会議システムを使ってのグループセッションも、家庭から行っていたときより、他のグループの様子が観られることによって、効果が大きくなると期待できます。

学校現場は、子どもたちが登校し始めてからの学校生活をシミュレーションしていくことが大切になっています。そんな中、「3密」を避けることを考えると、やはりICTを活用することになると思います。そして、ここでの活用が、1人1台のPC時代を築く土台となっていくのではないでしょうか。
また、子どもたちとどんな学校生活・授業を行っていくか話し合い・研修を重ねていくことで、きっと素晴らしいアイデアが生まれ、これまでと違う学校生活・授業が創り上げられていくのではないでしょうか。


担任になったつもりで「心の天気」を説明(玉置)

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 我がゼミでは、EDUCOM「心の天気」を日々入力しながら、この「心の天気」の効用を実体験する取組を行っています。

 その中で、ゼミ生の金子さんが、もしこの事態(長期休校)で学級担任だったら、「子どもたちにこう呼びかけて「心の天気」を使って子どもたちと結びつきたい」という思いを動画で表してくれました。

 以下のところをクリックしていただくと、2分間の「心の天気説明動画」をご覧いただけます。ぜひご覧ください。(玉置)

https://drive.google.com/file/d/1o2ob-QtHeyzwku...

この事態における学校でのICT活用四方山話 Stage2<神戸>

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Stage1で紹介したホームページ作成機能を使った取組は、さらにセキュリティの強化と保護者への確実な連絡が可能となった、「C4th Home&School」でも実現できています。今、この学校情報配信アプリを活用した事例が話題になっています。Stage1でも書いたように、「つながる」ことを大切にしながら、子どもとつながるだけでなく、保護者ともつながることで、教育のスタイルが変化していくと思います。
 
 Stage2 動画配信
 Stage1で書いたように、「子どもたちとのつながり」を中心にStare2へと進みたいと思います。
 さて、学力保障の点から、各学校や自治体から動画が配信されています。どれも、プレゼンテーションやキャラクターが出てきて、動画としてのレベルはかなり高いのではないかと思います。しかし、レベルが上がれば上がるほど、少しでも苦手意識がある先生は、「自分には無理」と諦め気味になってしまうのではないでしょうか。そこで、私が考える動画配信をお話ししたいと思います。

★ 普段の授業の一コマを動画で配信
 こんなことを聞いたことがあります。研究授業や授業参観で見かける特別な授業より、毎日の授業を大切にする。今の状態も同じではないでしょうか。
 先生方は、授業のプロです。決して、プレゼンのプロではありません。(得意な方はおられますが)ですから、普段の授業を大切にし、普段通り黒板(ホワイトボード)に向かって板書し、子どもたちに学びを促すような課題に取り組ませる。そんな授業の一コマを、ビデオで録画して動画として配信すればいいのではないでしょうか。先生の顔が見え、先生の声が聞こえ、先生の立ち振る舞いが観え、少し癖のある字で書かれた板書が読める。(多くの先生はきれいな字を書かれます。)動画の中に、自分を見守ってくれている先生がいる。
 こんな動画なら、多くの先生方も出来るのではないでしょうか。特別なことをするのではなく、普段通りの授業を録画する。勿論それをアップするときは、多少得意な人の手を借りなければならないでしょうが。顔が見えない、声も聞いたことのない人の動画より、自分たちのための動画という意識が高まるのではないでしょうか。「子どもたちとつながる」ことを意識すると、こんな動画配信を私は創造します。
 そんな動画の中に、もうひと味を加えるとすると
・ 板書の文字は大きく、やや太く
・ 明るい笑顔と笑いのある動画
・ STOPカードを入れた動画
 動画だからこそできる、子どもたち一人一人のペースにあわせた授業
 普段の授業では、問題を解く時間や考える時間が統一されます。
今の状況で行う動画を使った授業なら、
「それでは、この問題を考えてみてください」と動画の中の先生が、STOPマークを出す。子どもは、動画を止めてゆっくりと課題に取り組み、自分の考えが持てたら続きを再生する。
「この漢字の練習をして覚えましょう」と動画の中の先生が、STOPマークを出す。ある子どもは、2〜3回の練習で書けるようになり、次に進む。ある子どもは、10回練習して書けるようになり、次に進む。こんなこともできるのではないでしょうか。
 紙のドリルで、10回書かせるような課題と比べてみてください。
 
 普段通りの授業動画を流す。自分の知っている先生の姿が見える動画だからこそ、「子どもたちとつながる」のではないでしょうか。それが、学校のように思えるし、学力以上に大切なことのようにも思えます。

この事態における教職員四方山話 「学校百景でつながる」(和田)

 学習の遅れをカバーするために、ドリル教材がたくさん売れているそうです。保護者としては、学習する手段がないと困るので当然の流れかと思います。ドリルや休校支援での動画配信等に加えて、各学校独自の学びを提供するためにHPを活用してはどうでしょうか。
 小学校6年、中学3年間登校しますが、子どもたちは学校のほんの一部しか見ていません。教室、特別教室など、ひょっとしたら1年生の学校探検からあまり広がらないまま卒業していく子もいるかもしれません。学校には学べる教材が山ほどあります。
 教科書には記載されていないけれど、この学校独自の教材をHPで紹介します。子どもたちが学校にあるものに興味・関心をもてるようになれば、各教科につながる学びになるのではないでしょうか。教科書から飛び出して興味・関心をもって主体的に学ぶチャンスでもあります。
 HPには、紹介している先生の笑顔と一言感想を添えましょう。
「私の学校の先生」は特別です。先生の笑顔を楽しみにHPにアクセスする子が増えます。
こんなのはどうでしょうか。例を紹介します。
百景1  学校の草花編
 桜は葉桜になってきています。つつじのつぼみがふくらみ、咲き始めています。
桜以外の木々も草花もたくさんあります。花の中にはおしべとめじべがあります。もっと詳しく観察するには理科室の顕微鏡を使います。
「次回は理科室訪問です。」と予告も付け加えます。
百景2  学校バックヤード編
 屋上のタンクを見たことがありますか? あれは何なのでしょう。
 学校では水も電気もガスも使っていますが、どれぐらい使っているのか知っていますか? 使った料金はどうやって払っているのでしょう。
家庭にはメーターがありますね。学校にもメーターがあるのです。メーターの単位については算数や理科の先生、家庭のメーターとの比較は家庭科の先生が話します。家庭のメーターや、支払明細を見てみましょう。
百景3  門、銅像編
 学校には正門近くに二宮尊徳、花壇近くには○○の銅像があります。また、正門、南門など全部で5つの門が学校にはあります。実は正門は移動したのです。昭和時代の学校の写真と比べてみてください(航空写真を添付)
     国語の先生の「二宮尊徳」の話につづく
     社会の先生の「この学校の歴史」の話につづく
 看板編(学校内設置のいろいろな看板)、音楽室編(さまざまな楽器紹介)、体育館編(さまざまなラインの意味)、廊下編(一番長い廊下は○○mなど)、母校の様々な景色に関心をもってもらう機会にしましょう。

この事態における教員ICT研修四方山話Part1<和敏>

 新型コロナウイルス感染拡大防止対策で、各学校は臨時休校中です。国は、緊急事態宣言をさらに1か月程度延長しようとする動きがみられます。大変な日々はまだまだ続きそうです。
 また、この事態に、9月入学やオンライン授業の話題をよく耳にするようになってきました。先生方も、どうするとよいか模索しているところではないかと思います。
そんなとき、学校でこんな取組・研修を行ったらという、四方山話を書いてみたいと思います。

★ 習うより慣れよ
 オンライン授業が様々なシステムを使って行われています。今まで、学校現場になかったものを急遽導入していくことは、かなりの先生方にとってハードルが高いと思います。そんなとき、こんなことを行った学校があるようです。「習うより慣れよ」というスローガンのもと、テレビ会議システムを自分たちの業務で使ってみようということになったそうです。主催者の立場や参加者の立場を体験していくことで、メリットもデメリットもみえてくるということです。そして、メリットは活かし、デメリットを意識しながらオンライン授業へと発展させていこうということです。この話から、ちょうど先生方も在宅勤務が始まったころなので、オンライン授業の研修を行う前に、テレビ会議システムを使った職員会議など行うのもいいのではないかと思いました。その中で、学年部会のようにグループセッションを入れてみるとか、学校独自の会議の進め方をオンラインで行っていくとか工夫をすることで、授業への活用がみえてくると思いました。勿論、使用するシステムは、今後オンライン授業で活用しようとしているものです。こんな学校は、先生方の授業力を活かしたオンライン授業が、日常的に発信されていくことだろうと期待がふくらみます。
「習うより慣れよ」確かに、必要感があった方が、ただ教えられるより身につくことが多いですね。
 
★ GIGAスクール構想実現を見据えて
この時期だからこそ、研修の中に文部科学省の「GIGAスクール構想の実現に向けた1人1台端末整備 基本モデル例」を体験してはどうでしょうか。
基本モデル例には
例1 MicrosoftのTeams
例2 GoogleのG Suite for Education
例3 Appleの教育用App
が紹介されています。
※文部科学省 事務連絡 令和2年1月28日
令和元年度補正予算案「GIGA スクール構想の実現」に関する説明資料(情報提供)

これらは、今のような状態でも活用できるものがあると思います。
ぜひ、挑戦してみてほしいと思います。
ピンチをチャンスに変えるには、チャレンジが必要だと思います。

この事態における学校でのICT活用四方山話 Stage1<神戸>

 新型コロナウイルス感染拡大防止のために、多くの方がご努力されていることに敬意を表します。長年、学校現場でお世話になってきましたので、こんな時だから、何か力になれればと思いパソコンに向かいました。
 2020年2月27日午後6時過ぎ、安倍晋三首相から3月2日から春休みまで臨時休校の要請が表明され、各学校は臨時休校に入りました。しかし、春休みまでで解除されることはなく、現在5月末まで臨時休校を決定している市町村が数多くある現状が続いています。子どもたちは3か月近く登校することなく、生活をしているのが現実です。
 そんな中最近、「遠隔授業」「テレビ会議システム」「テレワーク」など、ICT機器を活用した授業や働き方を耳にします。文部科学省は、新型コロナウイルス感染対策に関する通知文や連絡文を出し、その中に「ICTの積極的活用」を書いています。
 今、ICTを活用して、学校で何ができるのか。何をやるとよいのかを語ってみたいと思います。あくまでも、個人の意見ですが。

Stage1 子どもたちとのつながりを
 子どもたちの学びを保障するのは、とても重要なことです。この重要な学びは、先生や友だちとふれあい、つながることからうまれるのではないでしょうか。自分一人で、学びを築き上げられる子どもは、そんなに多くないと思います。
 4月から、担任の先生とどれだけ会話をしたでしょうか。大好きなあの教科の先生の授業に、どれだけ参加したでしょうか。ほとんどゼロ時間です。まずは、子どもたちとつながれる手立てを考えていく必要があると思います。可能なら毎日、「先生たちは、あなたを見守っています。」と感じられるような取組ができると、子どもたちはどれだけ安心できることでしょうか。学校が再開されたときに、自分の居場所があるという安心感を、今作ってあげることが第一のように思います。電話を各家庭にかけるのもいいと思いますが、先生方も在宅勤務をはじめています。40名近い家庭に電話をすることは、大変な仕事になります。保護者にとっても、いつかかってくるか分からない電話を待つのは、辛いことでしょう。
 学校のホームページ作成機能を使って、子どもの健康観察を毎日行い、子どもたちとのつながりを築いている学校があります。ホームページ作成機能の一部にある外部アンケート機能を使って、子どもたちの体温・学習時間・今日の気持ち(心の天気)・先生と相談したいことなどを毎日学校へ送信するのです。先生はそれを見て、子どもたちの状況を把握し、時に電話やメールで話をしたり相談を聞いたりすることが可能になるのです。これが、子どもたちとつながる第一歩になると思います。毎日行うことで、子どもたちの家庭生活習慣のリズムの確立にもつながります。これだけで、子どもたちとつながるとは思いませんが、入り口にはなると思います。
 どうですか、やってみませんか。子どもたちの顔が見えてくると思います。

無償提供中


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「心の天気」に関わってわずか1週間で(玉置)

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 大学人としての発信です。ゼミ生にEDUCOM製品の「心の天気」に日々取り組ませています。わずか1週間で、次のような感想を書いた学生がいます。「心の天気」のよさがよく分かっていただけると思います。

***

 心の天気の研究に携わらせていただいてから、1週間が過ぎました。

 晴れ、晴れ、晴れと連日、晴れが続いていた私ですが、とうとう雷になりました。私は勝手に雷はイライラしたときの気持ちやどうにも言葉にできない気持ちを表すものだと解釈しています。

 昨日の夜遅く、雷になってしまいました。自分の情けなさや、周りに対しての不満。それらが雷の原因となりました。自分で頑張っていると思っていた事を心ない言葉で否定されると、もう、何というか、言葉にできなくて。雷雨になりました。

 頑張りは他人からは見えづらく、そして伝わりにくいです。また、自分が頑張っていると思っていても、人にはそれぞれキャパというものがあり、どうしても人は自分のキャパで人の頑張りを測ってしまいます。

 自分でもそれは重々承知です。自分も必ずキャパで人を測る一面を持っています。だから、日頃、私はなるべくその人のキャパでその人を見ることができるようによーくその人を見て、支えたり、支えられたらしてきたつもりです。

 でも、それが、なかなか上手くいきません。決して自分はできる人ではありません。だからこそ、周りと一緒に頑張りたいのに。

 志賀内泰弘さんの本にあった「気張る」それを私はまだできていないのでしょうか。あの言葉を見てからそれができるように心がけてきたのに、とてもとても難しいですね。

 心の天気はとても良い仕組みだとこの1週間感じました。心の言葉にならない気持ちを吐き出すことのできる小さな避難場所です。この避難場所があることがどれだけいいことか。言葉にできない黒く重い気持ちはその人の心にずっと靄のように居続けます。その靄は自分一人の力では吐き出せません。そんな時にこの心の天気は大活躍すると感じています。

 晴れになれるよう、美味しいものを食べたり、友達と話したりします!

発刊「まるごと教師論」(玉置崇単著・EDUCOM)

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 4月10日に本を発刊しました。「先生と先生を目指す人の最強バイブル まるごと教師論」です。教師の仕事をまるごと理解していただくために書いたものです。

 第1章では、教師の仕事を多面的に記しました。第2章では、新しい学習指導要領を理解していただくために要点をまとめました。第3章では、いくつかの教育問題を取り上げ、教師としていかに対応すべきかを示しました。最後の章には、教師力を高めるための一例として、私の歩みを紹介させていただきました。手にとっていただいた方に、必ず満足していただける書籍だと思っています。

 皆様、どうぞよろしくお願いします。EDUCOMオンラインショップで購入していただけます。(玉置)
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