活用事例

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C4th Home & School活用事例


変化を進化につなげることを意識しましょう(大西)

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変化と進化について、ダーウィンの進化論の誤用が話題になっています。以前「学校を進化させましょう(大西)」で変化を進化にすることを述べましたが、あらためて変化を進化にする視点についてお伝えしたいと思います。

漠然と進化するとは以前よりもよくなることと思われる方が多いと思いますが、生物における進化とは環境に適応したものが生き残って種を存続させるということです。学校でいいかえれば、社会や取り巻く環境の変化に対応して地域や保護者、子どもたちから選ばれる学校となることです。単に変化すればよいのではなく、そこに選ばれるという評価が加わることがポイントになります。今回の新型コロナウイルスの出現は、今までなかったような急激な環境の変化をもたらしました。この変化に対応できるような進化が求められています。学校の中だけに目を向けていると次第に以前の状況に戻りつつあるように感じるかもしれません。しかし、テレワークを今後も続ける企業はかなりの数になり、テレワークにより単身赴任を解消するという話も聞きます。コミュニケーションの手段が見直され、社会のあり方は確実に変化しています。私立の学校や受験がある高等学校であれば入学希望者の数を見ることで選ばれる学校になっているかどうかはわかりやすいのですが、学区制のある公立小中学校ではなかなかそのことは見えません。気がつくと地域や保護者の信頼を失くして、学校運営が成り立たなくなってしまうことにもなりかねません。
学校が変化を進化につなげるためには、地域や保護者とのコミュニケーションを密にとって変化したことへの評価を受け続けることが求められます。私が現役のころは、「保護者は自分の子どものことしか考えていない」「教育のことをわかっていないのに口を出す」といった言葉が平気で聞かれました。学校が伝える努力、相手の声を聞く姿勢に欠けていたことがよくわかります。さすがに今はこのような言葉を発する先生はいないでしょうが、このことが意識されているかどうかは学校によって異なるように思います。
学校再開、教室の消毒、給食の配膳への配慮、夏休みの短縮への対応など先生方は目がまわるような毎日を過ごされていると思います。目の前の仕事に追われそれ以外には時間を割けない状況だと思います。だからこそ、こまめに地域や保護者に学校の現状や活動その意図を伝え、意見を吸い上げていかないと学校の思いと地域や保護者の思いが乖離してしまいます。
ここで意識してほしいのがICTの活用です。それこそ学校ごとに環境は異なるかもしれませんが、ホームページやメールシステムを使って学校の取り組みを伝えることは多くの学校で可能だと思います。また、アンケートシステムを活用することで集計にかかる作業を大きく減らすことができます。そういった環境がない学校に対して、株式会社EDUCOMでは、学校と保護者をつなぎアンケートなども簡単に行える双方向のシステム「C4th Home & School」の無償提供も行っています。学校の進化のためにも積極的に活用していただければと思います。

変化を進化につなげるために、地域や保護者とのコミュニケーションを今まで以上に大切にしてほしいと思います。

保護者の声に耳を傾ける姿勢を見せましょう(大西)

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新型コロナウイルによる休校で、学校と保護者の連絡手段としてホームページが大きな役割を果たしました。子どもの姿で伝えよう(大西)でも述べたように、学校の再開後もその重要性はますます高まります。保護者はニュースなどで先進的な学校の安全対策や授業への取り組みなどが紹介されると、自分の子どもの学校はどうだろうとホームページを見ることと思います。その時、安全対策などの情報や子どもたちの様子がきちんと公開されていれば安心できます。逆に、更新が止まっているようだと不安を抱かせてしまいます。たとえ情報が公開されていても、紹介されていた取り組みと比べて見劣りすると、なぜ同じようにできないのかと疑問を持たれるかもしれません。地域や学校ごとに置かれている状況は異なるので同様にはできないことも多いのですが、保護者はそのことを理解できていないので、どうしても疑問や不満に思うのです。それでも、直接学校に電話して質問する方はまれです。学校が大変な時期であることはわかっているからです。自分の気持ちを吐き出せずにもやもやした気持ちを抱える保護者も一定数いることになります。学校も、保護者から質問をいただければきちんと説明できるのに、保護者の不安や不満を解消する機会を失くしています。

この問題を解消するには、保護者の疑問や不安、不満を学校の方から聞く姿勢を見せることが大切です。すぐに思い浮かぶのはアンケートですが、紙のアンケートでは保護者も学校も負担が大きく、回収率を上げることも難しいです。また、学校再開後はどうしても想定外のことがおきたり、不備があったりします。その改善には保護者から素早く情報をもらうことが必要です。ホームページや双方向の連絡システムのアンケート機能を活用することが有効です。例えば、子どもの様子や不安を選択肢で回答してもらうと同時に自由記述欄を設け、心配事、疑問何でもよいので記述してもらうのです。学校が一人ひとりの子どもの様子を気にかけている、保護者の疑問や不安を聞こうとしてくれていると感じるだけで不安は和らぎます。
ここで注意しなければいけないのは、アンケートの後どれだけ素早くレスポンスするかです。この点でもネットを活用したアンケートシステムは有効です。回答の集計やグラフ化は一瞬でできます。また、双方向のシステムでは確実に保護者に届きますし、既読かどうかも確認できるので、アンケートの期限を短くしてすぐに集計に入れます。アンケートの結果が忘れたころに公表されるといったことはありません。
もう一つ注意すべきは、集計結果を公表するだけでなく、簡単でよいので必ずその結果に対して学校の考えを伝えることです。保護者からの回答を学校ではどのように受け止めているのか、特にネガティブな回答に対しては、具体的にそうなっている理由や対応を伝えることが必要です。たとえ実現が難しい要望であっても、その裏にある保護者の思いに寄り添い、難しい理由をてていねいに説明して理解を得ようとすることが大切です。要望が通らなくても、学校が真摯に受け止めてくれていると感じれば、学校は聞く耳を持っていると納得してくれます。不安や不満を減らすと同時に学校のへの信頼を増すことにつながっていくのです。

学校再開後は、保護者からの信頼が学校経営にとって今まで以上に大切になります。そのためには、学校が聞く耳を持っていると保護者に感じてもらえることが何より大切です。忙しく余裕のない時だからこそ、積極的に聞こうとする姿勢が求められます。ネットを活用したアンケートシステムを上手に使って、保護者の信頼を得てほしいと思います。

(株)EDUCOMでは、アンケート機能付きのホームページ作成ソフト「スクールWebアシスト」と、学校と保護者を結ぶツール「C4th Home & School」を現在無償提供中です。是非この機会をご活用ください。

子どもの姿で伝えよう(大西)

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新型コロナウイルスによる休校からの学校再開が一部の地域を皮切りに進み始めています。とはいえ、新型コロナウイルスの脅威が完全に去ったわけではありません。学校では子どもたちの安全を確保するために多くの対策をとることが求められます。地域や学校の状況によって異なりますが、机や昇降口の消毒といったことも先生方の負担となっているところもあります。除菌シートを求め、先生方がスーパーマーケットを手分けして探しているといった話も聞きます。学校の再開は先生方に大きな負担をかけることになります。それでも先生方は嫌な顔をせずに子どもたちの安心安全のために全力を尽くされるのだと思います。頭が下がる思いです。

子どもたちの安全のために、座席の配置や給食の配膳方法など新しいルールや方法が考えられ実施されることと思います。先生方は子どもたちにはそのルールの意味や大切さを毎日の生活の中できちんと伝え、徹底されると思いますが、ここで忘れないでほしいのは保護者の中には学校再開を不安に思っている方もいるということです。そういう保護者のためにも学校がどのような安全対策をするのかを正しく伝えることが大切です。伝えるということは単に対策を書いた紙を配ればいいのではありません。保護者が不安なくお子さんを学校に送り出していただけて初めて伝わったということです。

学校の安全対策は多岐にわたります。その一つひとつをていねいに説明すると膨大な量になります。文部科学省や教育委員会からの通知をそのまま載せて、これに沿って対応しますといったものは論外にしても、せいぜい、代表的な対策を例にして、「三密をさけて」「しゃべる量をへらす」といったキーワードを使って大まかな方針、方向性を伝えるにとどまらざるを得ません。十分とはいえないまでもこういった文書を配布することは重要です。紙で配布するに加えてホームページで文書を公開することもよい方法ですが、それでもすべての保護者が目にするとは限りません。伝えたい人に確実に伝わる方法が必要となります。保護者全員、特定の学年学級の保護者を選択して、必要な情報をスマホのアプリを通じて届けることや、アンケートをとることができるツールを利用している学校もあります。緊急配信用のメールを利用してもよいでしょう。まずは、保護者の手元に確実に情報を届けることが必要です。

しかし、先ほども述べたように、文書では学校側が行っている対策を伝えきるのは限界があります。そこで威力を発揮するのが、ホームページの記事です。授業の様子の写真と共に、「ソーシャルディスタンスを確保するためにこのような配置をしていますが、子どもたちは元気に頑張っています」「話すことを削減するために、サインを出して自分の考えを伝え合っています」と説明を付け加えるのです。休み時間の様子や給食の様子、学校がとっている安全対策を子どもたちの姿と共に説明することで、わかりやすく納得のいくものになるはずです。合わせて、保護者の手元に記事の更新やリンクを伝えることで、確実に学校の安全対策が伝わり、理解を得ることができると思います。

子どもが登校するようになれば、課題の指示や配布の必要性がなくなるので、ホームページでの発信は少し休んでもよいと考える学校もあるかもしれませんが、それは間違いです。保護者に安心してもらい、学校の信頼をえるためにも今まで以上にホームページでの発信を心がけてください。

(株)EDUCOMでは、アンケート機能付きのホームページ作成ソフト「スクールWebアシスト」と、学校と保護者を結ぶツール「C4th Home & School」を現在無償提供中です。是非この機会をご活用ください。

この事態における学校と保護者と地域四方山話 みんなで一緒に安心安全な学校を!編 <栗木>

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 学校再開に向けて、各校で様々な対応を考えていらっしゃると思います。取り巻く事情はそれぞれに違うのですから、学校ごとの工夫が必要になってきます。「お帰りなさいプロジェクト 〇〇モデルを作ろう!」と、全職員が分担してアイデアを出し、再開に向けてのシミュレーションをしている学校もあります。

感染予防は、二重三重に考えます。ひとたび感染が起きれば、最低でも1か月単位の待機になるのですから、ここまでやるのかというぐらいの徹底が必要です。そこには人員の確保や費用、環境、物資不足など、様々な困難も生じます。そんな時、学校の外に視野を広げてみませんか?学校にはそれを支えてくださる保護者や地域という、強い味方がいるではありませんか。その力を頼らず、学校だけで何とかしようとしていませんか?一生懸命考えれば考えるほど、学校は学校の中だけで解決しようとする特性をもっています。もっと視野を広げればよいアイデアが出てきたり、支援者が出てきたりします。眠らせておくのはもったいない。違う視点でいえば、地域の財産を活用するのも学校の役割の一つです。今こそ、学校が学校で完結しないで、「私たちと一緒に安心安全な学校作りをしましょう」と声を出す時です。「困ったらSOSを出す。困っていると言われたら手を差し伸べる。」それが「自立」です。

1 保護者の声を聴く
 再開に際して、いち早く理解と協力をお願いするのは当然保護者です。登下校の送迎、体調管理などこれまで以上に家庭に委ねることが多くなります。何よりも、ご家庭がお子さんの安全に高い関心を寄せていらっしゃいます。各学校での対応を一早く決め、周知をしていくことです。「学校はこういう対応を考えています。」と具体的な対応を示し、加えて「ご心配なことはありませんか?足りないことは何ですか?」と聴いてみてはどうでしょう。ご高齢者のいる家庭、医療従事者である保護者など、家庭事情によって心配する観点も異なります。すべてを網羅することはできないとしても、「聴く耳」をもち、時には個別対応も考えていく姿勢が安心につながります。ある学校は、希望保護者にモニターとして学校参観をしてもらい、ご意見をいただいた上で修正していくことを検討しています。それが「一緒に作る」ことです。
 そのうえで、お願いすることもたくさんあります。保健室対応もその一つ。体調を崩した時、一時的に預かることもこの事態ではできません。いつでもすぐに連絡がつくことと、いち早く迎えに来てもらうことを強く依頼していくことです。文書やメールだけでは意図が伝わりにくいもの。直接電話や対面でお願いしましょう。

2 支援者を募る
 感染予防のため、校内に教職員以外の人が入ることを心配する気持ちはわかりますが、人員不足により安全が守れなかったという事態にならないためには、地域や保護者の支援を募るのも一つの手段だと考えます。例えば、「給食ボランティア」「授業見守りボランティア」などはいかがでしょう。給食配膳はこれまでのような給食当番制はできません。先生だけではなくお母さん方に手伝ってもらうのです。授業はT2を地域の教員OBにお願いしてみましょう。授業研究もできて一石二鳥です。

3 物資支援を声にしてみる
 学校を、子どもを守るために、これがあれば・・と思いながらも、諦めてしまうことはありませんか?また、校内だけで何とかしようとしていませんか?社会には、誰かの役に立ちたいと思っている人たちや企業がたくさんあります。畑違いの商品を作って社会貢献してくださっているのもその一つだと思います。地域にある商店、企業、あるいは個人、きっと学校の、いや子どもや先生のために役立ちたいと思っている方がたくさんいるはずです。「こういうのを作って助けてもらえませんか?」と申し出てみましょう。それが地域を活性化することにつながるのですから。

 最後に、学校の対応が形になったとき、必ず第三者に客観的に見てもらうことをお勧めします。先述の保護者モニターも一つですし、地域有識者のアドバイスをもらうこともできます。自分たちで何とかする・・それはそれで立派な心構えです。でも、これからの社会はそれだけではたちうちできません。だから「社会に開かれた教育」をするのです。いかに多くの仲間を集うか。まずは学校が、その姿勢を示しましょう。

「学びて思はざれば則ち罔し 思ひて学ばざれば則ち殆し。」です。

日本教育新聞社に「C4th Home&School」の実践掲載

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 日本教育新聞2020年4月27日号に「民間のシステムを活用 家庭との情報共有、円滑に」と題して、愛知県春日井市の学校での「C4th Home&School」の実践が掲載されました。

 教育現場のネットワークシステムなどを扱うEDUCOM(愛知県春日井市)が提供していると題しての記事です。次のように紹介されています(一部のみ紹介)

 同システムは、インターネットを通した学校から保護者への連絡機能が中⼼。保護者がスマートフォンに専用アプリをダウンロードし、学校から配布されたIDとパスワードで登録すると利用できる。ログインできるのは本人のみだ。教員も保護者と同様に登録し、アプリや校務用パソコンから保護者に情報を発信したり、登録している教員同士でやりとりをしたりする。

 情報のカテゴリーは、「校長先生からの言葉」「クラスからの連絡・宿題」「お便り・資料連絡」「グループ通知」など。

 ※詳しくは本研究所サイトの「研究所&EDUCOM関連発信」に掲載した記事からお読みください。

この事態における学校と保護者と地域四方山話 できるといいなあ編 <栗木>

前回は現職としての体験を記しました。今回は、現職を離れて、こんなことができるといいなあという願いを込めて記します。

2重構造できるといいなあ
前回の最後に、学校ホームページ作成機能を使って、卒業式の様子を配信したことを書きました。卒業式に限らず学校で何かあると、アクセス数が急増します。時には児童生徒数の数倍になることもあります。アクセス数はいわば、その学校への関心度のバロメーターだとも言えます。今、この事態になって、学校ホームページが学校と児童生徒・保護者をつなぐ大きな役割を果たしていることは間違いありません。ある地域では、ホームページで先生方が児童生徒に励ましの言葉を伝え、それを見て「帰る場所がある」と子どもたちが感じたというすてきなニュースがありました。学校ホームページは心の拠り所でもあるという証です。それは児童生徒と保護者だけではありません。ホームページの一画から校歌を聞けるようにしたら、瞬く間に卒業生に広がったという話も聞きました。地域の方々、今までその学校に携わってくださった教職員、そして卒業生。皆さんがいつまでも学校を応援してくださってホームページを見てくださいます。それだけに、学校はより多くの応援者を意識した発信をする必要があります。同時に全世界に発信されているのですから、守るべきものも多々あります。このことからも、「C4th Home&School」で学校と保護者、児童生徒ががっちりつながり、同時にちょっと広い視野に立った発信を、ホームページ機能で行う、2重構造で行くという方策ができるといいなあ。

双方向できるといいなあ
学校ホームページや緊急メール配信を使っての学校としての発信は、多くの学校で行われています。しかし、ふと不安になることはありませんか?一方的な発信ばかりでよいのだろうかと。この事態になって児童生徒にも会えない今、求められるのはやはり双方向のつながりです。ある学校でこんなことがありました。生徒会執行部が学校ホームページを使って、全校生徒にある呼びかけをしたいとお願いしたそうです。その呼びかけとは、「こんな時だけど一日ひとつ、誰かを幸せにしよう、幸せをもらおう」というプロジェクトです。学校では会えないけれど、生徒会が大切にしてきた互いの良さやがんばりを認め合う活動を続けたいからと、それを学校代表メールに報告してもらって、ホームページで紹介することにもしました。呼びかけの翌日、早速生徒からメールが届きました。予想外に、保護者からもメールが届きました。そこには、「暗いニュースばかりが続く毎日、先生や生徒会の皆さんの取り組みを知り、涙が出ました。」「書きたいことはたくさんあります。でもまずはありがとうと伝えたいです。」と書いてありました。生徒も先生も心がほっこりして、つながりのリングができました。生徒会はさらに、学習する意欲づくりにつながる働きかけを生徒同士でできるチャットのようなものが学校ホームページにもあったらなと願っているそうです。
どんな事態になっても、いやこんな事態だからこそ、みんなが前を向けるのは、互いの「声」が交わせるからです。児童生徒・保護者・地域と学校が双方向コミュニケーションできるといいなあ。

開催できるといいなあ
昨今、多くの地域で「コミュニティスクール」が導入され、「学校運営協議会」が立ち上がっています。導入はまだでも、「学校評議員会」制度を取り入れている学校もあるのではないでしょうか。通常4月5月に、第一回目の会が実施されます。さて、今年はどうなのでしょうか?「三密」を避ける意味で見送られるかもしれません。個人的には、この事態だからこそ学校運営協議会が開催されることを望みます。そこで今、学校で起きていること、困っていることや望んでいることなどを伝え、保護者代表から家庭での様子や要望を聞き、それをもとに今できることを熟議することも可能です。児童生徒が外に出なくなって、地域の方にも子どもたちの様子が見えにくくなっていることでしょう。学校の中で何が起きているかが見えなければ、社会に開かれた教育の実現は難しく、一昔前の学校に逆戻りです。今こそ、学校運営協議会を開催して地域・家庭・学校が一体となるときではないでしょうか。そこで、できるといいなあの3つ目は、三密を避けるためのオンライン会議です。政府の示した「新しい生活様式」にも、オンライン会議の推奨が盛り込まれました。今すぐのオンライン授業はハードルが高くても、校内にそれができる環境が一つでもあれば、まずは大人がそれを体感することから始められます。メリットデメリットも体感して初めて得られるのですから。この事態が収束したあとも活用できれば、来校して参加する委員と家庭から参加する委員があって、出席者も増え、より多方面から熟議できます。開催できるといいなあ。

できない理由を探すことより、できることから始めましょう(大西)

今回の緊急事態宣言で、学校と子どもたちのつながりこれまでなかったほど分断されてしまいました。子どもたちや保護者との直接のコミュニケーション手段が制限されてしまった今、子どもたちの状況を何とかして知りたいと先生方は思っていることでしょう。学校休校でも先生方はこの状況に対応するため忙しく働き、頭を悩ませていることと思います。

学校がこのような事態に対応するために持っているリソース(資源)は限られています。そのリソースをどのように使うかが状況改善の鍵となります。
学校では平等であることを非常に重んじます。今では普通になった保護者への一斉メール配信も、「携帯を持っていない保護者がいるから全員には知らせられない」といった理由ですぐに実現しなかったことを思い出します。この他にも、「緊急なのにすぐに見ない人はどうする」「個人情報の問題でメールアドレスを教えてもらうことはまずい」といったことも実現を妨げる理由となりました。
ここで考えてほしいことは、2つあります。一つは、全員同じでなくてもそのことで大多数に大きなメリットがあれば、やるべきだということです。だからといって少数を切り捨てろということではありません。少数への対応をていねいにすればいいだけなのです。携帯を持っていない、登録を拒否する方への代替手段を講じればよいのです。
もう一つは、できない理由ではなく、そのできない理由をクリアすることを考えることです。ネガティブを見て止まってしまうのではなく、ネガティブを克服すれば前へ進めると考えるのです。メール配信をすぐに見てくれないことへは、「事前にこのような事態になったときは、メール配信で連絡します」とくり返し周知することや、ホームページや電話連絡などの代替手段を考えることです。私が開発のお手伝いをしたシステムでは、メールを読んだことを知らせてもらう機能をつけ、読んでない方には別の方法で知らせるようにしました。また、個人情報であるメールアドレスを登録するのに、学校からは登録サイトを保護者に知らせるだけにして個人情報を直接管理しないようになっています。要はできるようにするために工夫をすることなのです。

子どもたちの様子を知りたいという先生から、オンラインの会議システムを使いたいという要望をよく聞きますが、それに対して、全員を対象とできないからとそこで検討を止める学校と実現する方向で知恵を絞る学校とに分かれています。地域によって学校や保護者の状況は違いますから一概には言えませんが、オンライン会議に参加できる環境があるかを調査し、条件を満たす子どもが一定数いるので、できない子どもには学校の機器を貸与して実現している学校もあります。一方、全員と連絡できない、用紙を回収して集計が大変・・・といったことで、環境の調査すらしていない学校もあります。

子どもの課題を先生が一生懸命印刷して、子どもたちに時差出校させている学校もあります。ホームページを通じて各家庭でダウンロードしてもらい、その環境がない子どもにだけ紙で配布している学校もあります。全員同じにこだわらず、学校にある限られたリソースの一つであるホームページを有効活用しようとする姿勢があるかどうかの違いで状況は大きく変わるのです。

そしてもう一つ、こういった柔軟な対応を妨げるのは学校や先生の横並び意識です。ある学校が先陣を切って新しい対応をすると「あの学校がやっているのに何でやらないのか」といった苦情が保護者からくるので、全員で足並みをそろえようと待ったがかかる。ある先生が子どもたちへのメッセージを動画でアップしたいと言ったら、「私はできないからやってもらっては困る」と止められたりすることもあります。今は非常時です。少しでも子どもたちプラスになることを素早く実行することが求められます。そうではなく、「私たちもやりたいから教えて、手伝って」と言ってほしいのです。

アンケートをつくってオンラインで集計することができるホームページシステムもあります。全員に電話で様子を聞くことは大変ですが、こういったアンケートを使うことで、手軽に子どもたちの様子を知ることができます。連絡のない子ども、アンケートの結果が気がかりな子どもに対象を絞ってていねいに対応することができます。学校と保護者の双方向の連絡ができるシステムを使えばより緊密なコミュニケーションをとることが可能です。こういったシステムがないからできないと諦めるのではなく、少しでもそこに近づけるよう工夫して動いてほしいのです。
企業も学校を助けるためにいろいろな支援を無料で行っています。無料だと言っても使うためには準備も手間もかかります。それを乗り越えようとするかどうかの姿勢が問われているのです。

今回の事態への対応が、これからの時代に対応できる学校かどうかの試金石となります。子どもたちのために学校や先生が何をやろうとしているかを地域や保護者もみています。できることから始めましょう。

この事態における学校でのICT活用四方山話 Stage2<神戸>

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Stage1で紹介したホームページ作成機能を使った取組は、さらにセキュリティの強化と保護者への確実な連絡が可能となった、「C4th Home&School」でも実現できています。今、この学校情報配信アプリを活用した事例が話題になっています。Stage1でも書いたように、「つながる」ことを大切にしながら、子どもとつながるだけでなく、保護者ともつながることで、教育のスタイルが変化していくと思います。
 
 Stage2 動画配信
 Stage1で書いたように、「子どもたちとのつながり」を中心にStare2へと進みたいと思います。
 さて、学力保障の点から、各学校や自治体から動画が配信されています。どれも、プレゼンテーションやキャラクターが出てきて、動画としてのレベルはかなり高いのではないかと思います。しかし、レベルが上がれば上がるほど、少しでも苦手意識がある先生は、「自分には無理」と諦め気味になってしまうのではないでしょうか。そこで、私が考える動画配信をお話ししたいと思います。

★ 普段の授業の一コマを動画で配信
 こんなことを聞いたことがあります。研究授業や授業参観で見かける特別な授業より、毎日の授業を大切にする。今の状態も同じではないでしょうか。
 先生方は、授業のプロです。決して、プレゼンのプロではありません。(得意な方はおられますが)ですから、普段の授業を大切にし、普段通り黒板(ホワイトボード)に向かって板書し、子どもたちに学びを促すような課題に取り組ませる。そんな授業の一コマを、ビデオで録画して動画として配信すればいいのではないでしょうか。先生の顔が見え、先生の声が聞こえ、先生の立ち振る舞いが観え、少し癖のある字で書かれた板書が読める。(多くの先生はきれいな字を書かれます。)動画の中に、自分を見守ってくれている先生がいる。
 こんな動画なら、多くの先生方も出来るのではないでしょうか。特別なことをするのではなく、普段通りの授業を録画する。勿論それをアップするときは、多少得意な人の手を借りなければならないでしょうが。顔が見えない、声も聞いたことのない人の動画より、自分たちのための動画という意識が高まるのではないでしょうか。「子どもたちとつながる」ことを意識すると、こんな動画配信を私は創造します。
 そんな動画の中に、もうひと味を加えるとすると
・ 板書の文字は大きく、やや太く
・ 明るい笑顔と笑いのある動画
・ STOPカードを入れた動画
 動画だからこそできる、子どもたち一人一人のペースにあわせた授業
 普段の授業では、問題を解く時間や考える時間が統一されます。
今の状況で行う動画を使った授業なら、
「それでは、この問題を考えてみてください」と動画の中の先生が、STOPマークを出す。子どもは、動画を止めてゆっくりと課題に取り組み、自分の考えが持てたら続きを再生する。
「この漢字の練習をして覚えましょう」と動画の中の先生が、STOPマークを出す。ある子どもは、2〜3回の練習で書けるようになり、次に進む。ある子どもは、10回練習して書けるようになり、次に進む。こんなこともできるのではないでしょうか。
 紙のドリルで、10回書かせるような課題と比べてみてください。
 
 普段通りの授業動画を流す。自分の知っている先生の姿が見える動画だからこそ、「子どもたちとつながる」のではないでしょうか。それが、学校のように思えるし、学力以上に大切なことのようにも思えます。