活用事例

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EDUCOMマネージャーC4th / C4thポータブル活用事例


この事態における教職員四方山話 (和田) 「先生、元気でいてくれてありがとう!」

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休校の延長が続き、いつになったら学校に行けるのかと子どもも保護者も、そして先生も不安が募るばかりです。その不安が増すのは、「何もしていない自分」を悲観的にとらえてしまうからでしょう。何か行動を起こしたくても、さまざまな制限があるために限られたことしかできず、結局何もしていない自分を責めてしまっていませんか。「前向きに」なりたい気持ちは大きいのですが、真面目な教師ほど「子どものために何もしていない」と悩んでおられることでしょう。
 でも、学校はなくなっていませんし、必ず再開の日がやってきます。子どもは「私が戻る居場所」として学校を思う気持ちが高くなっていると思います。子どものために「先に生まれた」先生が「先に元気に」なってください。
  そこで、できることを始めましょう。発想を転換して、いずれやらないといけなかったことを前倒しし、学校が再開したら一番したかった子どもとの時間に費やしたいです。
では、どんなことが今できるか考えてみました。
 1 年間計画の見直し
 登校したら、時間数の多い教科を進めようと思いがちです。でも、心がまだ入学式、始業式の時点でストップしています。感染対策の授業もしなくてはいけません。来年の3月まで授業はできると考えて優先する授業を決めておきます。
 再開後、第1週~第4週までの授業を学年で相談しておくと安心できます。
  道徳・・・週1時間ではなく、授業時間を集中して増やします。「命の大切さ」「信頼友情」などの様々な観点から心のケアをします。今だからこそ、心に響く授業ができることでしょう。
  保健体育・・・保健の授業で感染対策の話をします。朝の会などの短い時間で何度も説明するのではなく、きちんと授業としてカウントできるようにします。養護教諭と連携して話をしてもらうこともできます。
  国語・・・休校の期間にいろいろな思いが子どもにはありました。「詩」「俳句」「短歌」「作文」などの単元を先に実践してみるのも手だての一つです。よい作品は応募作品にすることもできますが、夏休みの応募は検討の余地がたくさんありそうです。今なら、学校全体で決めておくこともできます。
 2 教科書の見直し
 まずは、全教科書を読んでみます。読むだけで、「この単元は時間がかかる」「ここはスピードアップできる」「ここは年度末にやっても大丈夫だ」などの見通しがわかってきます。これは立派な教材研究です。教科書を読むときには、付箋を用意してメモをします。「発問は〜」「画用紙で△を準備」「デジタル教科書の〇ページ活用」など何でもいいので思いついたことを付箋で残します。国語辞典で調べたページに付箋をつけその数がどんどん増えるという実践がありました。先生も付箋が増えると教材研究の可視化ができます。
 一人でもできる教材研究で「子どもを迎える心の準備」と「登校後の仕事の集中の回避」を進めてみてはどうでしょうか。先生を応援しています。

大阪市教育委員会次世代学校支援事業の成果(玉置)

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 大阪市教育委員会が、3年間にわたって実証研究してきた「次世代学校支援事業」の成果をまとめた冊子が、文部科学省サイトから読めるようになりました。いずれもEDUCOM製品がフル活用されています。

 詳しくは冊子をお読みいただければと思いますが、事業の「目的」をここに掲載しておきます。

 学校の有益なデータ ( エビデンス ) の見える化により、教育の質の向上へ

 事業では、「校務支援システム」と「学習系システム」を安全かつ有効的に連携させ、これらのシステムを日常的に使うことによっておのずと蓄積される校務や学習にかかるデータを集約し、学校の状況や児童生徒の学びを一元化し、可視化する新システム「ダッシュボード」を導入しました。児童生徒自らの学習の振り返りや、教員の指導力の向上、学級・学校運営の改善や教育の質の向上を図る手段として、その活用方法やシステム要件(情報セキュリティ対策を含む)について検証するための実証研究を実施しました。

 「ダッシュボード」の活用により、児童生徒、教員、管理職のそれぞれにとって有益なデータ(エビデンス)の見える化を実現し、学級・学校運営の深化充実を目指すとともに、学校に新しい価値を提供し、教員や管理職の利便性を高めることを目的としています。

詳細は、ぜひ冊子をご覧ください。

【大阪市教育委員会】次世代学校支援事業ガイドブック(第1章〜第3章) (PDF:7.0MB) PDF

【大阪市教育委員会】次世代学校支援事業ガイドブック(第4章〜第5章) (PDF:3.4MB) PDF

学校を進化させましょう(大西)

ほとんどの地区で学校が再開されていると思いますが、その状況はまちまちだと思います。子どもたちを2つのグループに分けて隔日登校とし、オンライン会議システムを使って通常の時間割で校内と家庭同時に授業をしている学校もあります。登下校や給食、掃除の進め方などの工夫に多くの労力を割かれ、授業は子ども同士の接触を避けるといった指示だけで授業者の裁量に任されているという学校もあります。接触を避けながらどうやって子ども同士のかかわりを生み出そうと悩んでいる先生もたくさんいらっしゃいますし、自分がしゃべる量を減らして、板書を増やして子どもたちに写させることを中心にしている方も目にします。教科書すべてを授業で網羅するのではなく、学校ではどこを中心にどんな活動するのか、家庭ではどんな学習を求めるのかを考え工夫している先生もいらっしゃいます。
どれが正解ということはありませんが、この事態に対応するためにどの先生もいろいろな工夫をしています。

ただ気になるのが、「いつになったら以前に戻れるのだろう」「早く以前と同じに戻ってほしい」と今の状態を一時的なものと考え、新型コロナウイルスが登場する以前に戻ることを願っている学校や先生が一定数いることです。今回の新型コロナウイルスによる学校の変化は一過性のものではありません。ICT機器の活用が進み、授業の進め方も不可逆的に変わっていきます。以前と違った授業がよいということではありません。今行われている授業と以前の授業を比較し、それぞれのよいところと課題を評価しながらよりよい授業へと進化させることが大切です。「今までの授業ではほとんど質問や発言しなかった子どもがオンライン授業では自分の意見を発信したり質問を送ってきたりした。これまでの授業で発言しにくい雰囲気をつくっていたのかもしれない」と授業を見なおすヒントを得た先生もいらっしゃいます。
学校全体が進化していくためには、こういった先生方の学びを共有することが大切になります。週案などに書かれたよい気づきを統合型校務支援システムで公開して共有するのも一つの方法です。また、日常的に授業を見合い、互いのよいところを学び合うこともとても有効ですが、いまの状況では物理的に難しいかもしれません。管理職を中心に先生方の授業を積極的に観察し、よい点を評価して学校全体に共有していくことが求められます。統合型校務支援システムを活用して内部に発信し、先生同士の交流のきっかけにするとよいでしょう。授業のよいところやポイントを動画とコメントで簡単に紹介する授業アドバイスツール(EDUCOMで開発、実証実験中)などもこれから世に出てきます。先生方が試行錯誤しながら授業を変えようとしている時だからこそ、それを評価し、共有し、学校全体でよりよいものにしていく工夫をお願いしたいと思います。

発信するという視点では、ホームページで授業を紹介するのも有効です。地域や保護者に学校がどのように変わろうとしているのかをわかりやすく伝えることができます。全国一斉の休校措置から続く一連の動きで、世間の注目は学校に集まっています。マスコミを通じて連日のように学校の様子が紹介され、ホームページなどでも各学校の取り組みを簡単に知ることができます。学校ごとの取り組みの違いが保護者の目にもはっきりと見えています。他の地域と自分の子どもたちが通う学校を比較して、なぜこのような授業をやらないのかと保護者が声を上げる時代になりました。他の地域と比較されてこうしてほしいと言われても、現場の環境は異なるので同じようにはできません。学校の環境がどうなのか、その上でどのような工夫をしているのか、そのねらいや意図を含めてわかりやすく伝えることが大切です。環境のせいでできないと言い訳をするのではなく、その環境の中でできることを工夫していることを伝えるのです。環境が整うことを待っているのではなく、常に工夫して対応していることを知ってもらうことで学校への信頼は増すはずです。今後、信頼を得る学校、なくす学校の差が大きくなると予想しています。

今学校は変革の波の真っただ中にいます。この状況を一時的なものとみて、早く元に戻りたいと願うのではなく、環境の変化に適応して、学校を進化させることを意識してほしいと思います。

「授業アドバイスツール」で手軽にはじめる授業改善(玉置)

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 授業と学び研究所とEDUCOMでは、数年前から「授業アドバイスツール」の開発をしてきました。

 タブレット等の携帯型端末を利用したこのツールは、授業シーンを振り返りながら授業検討を行う際や、指導や助言を行う際に、気軽に使用できるツールです。

 愛知県海部郡大治町では、2019 年春より、「授業アドバイスツール」を使用した授業検討や指導を実践していただきました。

 4 人の校長先生から、ツールの有用性や活用方法などをお伺い、「手軽にできる授業改善ツール」である実践ができましたので、具体的活用方法や効果などをリーフレットで発信しています。

 ぜひここをクリックして、詳細をお読みください。(玉置)

この事態における学校と保護者と地域四方山話 みんなで一緒に安心安全な学校を!編 <栗木>

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 学校再開に向けて、各校で様々な対応を考えていらっしゃると思います。取り巻く事情はそれぞれに違うのですから、学校ごとの工夫が必要になってきます。「お帰りなさいプロジェクト 〇〇モデルを作ろう!」と、全職員が分担してアイデアを出し、再開に向けてのシミュレーションをしている学校もあります。

感染予防は、二重三重に考えます。ひとたび感染が起きれば、最低でも1か月単位の待機になるのですから、ここまでやるのかというぐらいの徹底が必要です。そこには人員の確保や費用、環境、物資不足など、様々な困難も生じます。そんな時、学校の外に視野を広げてみませんか?学校にはそれを支えてくださる保護者や地域という、強い味方がいるではありませんか。その力を頼らず、学校だけで何とかしようとしていませんか?一生懸命考えれば考えるほど、学校は学校の中だけで解決しようとする特性をもっています。もっと視野を広げればよいアイデアが出てきたり、支援者が出てきたりします。眠らせておくのはもったいない。違う視点でいえば、地域の財産を活用するのも学校の役割の一つです。今こそ、学校が学校で完結しないで、「私たちと一緒に安心安全な学校作りをしましょう」と声を出す時です。「困ったらSOSを出す。困っていると言われたら手を差し伸べる。」それが「自立」です。

1 保護者の声を聴く
 再開に際して、いち早く理解と協力をお願いするのは当然保護者です。登下校の送迎、体調管理などこれまで以上に家庭に委ねることが多くなります。何よりも、ご家庭がお子さんの安全に高い関心を寄せていらっしゃいます。各学校での対応を一早く決め、周知をしていくことです。「学校はこういう対応を考えています。」と具体的な対応を示し、加えて「ご心配なことはありませんか?足りないことは何ですか?」と聴いてみてはどうでしょう。ご高齢者のいる家庭、医療従事者である保護者など、家庭事情によって心配する観点も異なります。すべてを網羅することはできないとしても、「聴く耳」をもち、時には個別対応も考えていく姿勢が安心につながります。ある学校は、希望保護者にモニターとして学校参観をしてもらい、ご意見をいただいた上で修正していくことを検討しています。それが「一緒に作る」ことです。
 そのうえで、お願いすることもたくさんあります。保健室対応もその一つ。体調を崩した時、一時的に預かることもこの事態ではできません。いつでもすぐに連絡がつくことと、いち早く迎えに来てもらうことを強く依頼していくことです。文書やメールだけでは意図が伝わりにくいもの。直接電話や対面でお願いしましょう。

2 支援者を募る
 感染予防のため、校内に教職員以外の人が入ることを心配する気持ちはわかりますが、人員不足により安全が守れなかったという事態にならないためには、地域や保護者の支援を募るのも一つの手段だと考えます。例えば、「給食ボランティア」「授業見守りボランティア」などはいかがでしょう。給食配膳はこれまでのような給食当番制はできません。先生だけではなくお母さん方に手伝ってもらうのです。授業はT2を地域の教員OBにお願いしてみましょう。授業研究もできて一石二鳥です。

3 物資支援を声にしてみる
 学校を、子どもを守るために、これがあれば・・と思いながらも、諦めてしまうことはありませんか?また、校内だけで何とかしようとしていませんか?社会には、誰かの役に立ちたいと思っている人たちや企業がたくさんあります。畑違いの商品を作って社会貢献してくださっているのもその一つだと思います。地域にある商店、企業、あるいは個人、きっと学校の、いや子どもや先生のために役立ちたいと思っている方がたくさんいるはずです。「こういうのを作って助けてもらえませんか?」と申し出てみましょう。それが地域を活性化することにつながるのですから。

 最後に、学校の対応が形になったとき、必ず第三者に客観的に見てもらうことをお勧めします。先述の保護者モニターも一つですし、地域有識者のアドバイスをもらうこともできます。自分たちで何とかする・・それはそれで立派な心構えです。でも、これからの社会はそれだけではたちうちできません。だから「社会に開かれた教育」をするのです。いかに多くの仲間を集うか。まずは学校が、その姿勢を示しましょう。

「学びて思はざれば則ち罔し 思ひて学ばざれば則ち殆し。」です。

この事態における学校でのICT活用四方山話 Stage4<神戸>

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 今までは、授業に関することを書いてきましたが、今回は、学校生活について書いてみたいと思います。

★ 人と人との接触を減らす
 学校生活が少しずつ始められるようになったら、感染拡大防止のため人と人の接触を減らしたり、大きな声での会話を控えたりすることになるでしょう。そうなると、毎朝の健康観察の結果集計のために、養護教諭が各教室をまわることも止めなければならないし、子どもたちへの朝の口頭連絡も減らす必要が出てきます。同様に、職員間の打合せも口頭ではなく文字で伝えることが望まれます。こんなときこそ、ICTの活用を考えるとよいと思います。担任が教室からタブレットを使って、出欠席を入力するだけで、養護教諭の手元のPCに集計結果が表示される。養護教諭は各教室をまわらず、短時間で把握でき、的確な対応ができるようになります。連絡事項も口頭ではなく、掲示板機能を使って教室のディスプレや大型提示装置に表示すれば、概ねの連絡は完了できます。1人1台のPCが実現できていれば、子どもたちのPCに連絡事項が表示されます。職員間は、現状の統合型校務支援システムをフル活用すればいいわけです。ネットワーク環境はかなり整備されています。人の移動や接触を極力減らすために、ICTをどう活用するかを考えていくことが重要になるのではないでしょうか。今までとは違った、新しい学校生活を築くつもりで。

★ 使い回しのタブレット
 GIGAスクール構想が注目されていますが、1人1台のPCを実現している自治体・学校は、まだまだ少ないです。しかし、この事態ですから、授業が再開されれば、学校のタブレットを子どもたちに貸し出すことが考えられます。それでも、1人1台のPCが実現できる学校は少なく、1台のタブレットを何人かの子どもで使い回すことになるのではないでしょうか。手洗いを徹底させている状況ですから、タブレットも、使うたびに消毒・除菌を行わなければならないでしょう。しかし、そんなことは、現実的ではないです。そんなとき、次のような方法で活用しようとしている学校があります。それは、タブレットを無色透明な袋の中に入れて使い、使い終わったら袋を廃棄する。次の学級も同様の方法でタブレットを使う。こうすれば、タブレットの消毒・除菌を行う手間は省けます。袋への入れ替えは、先生が使い捨て手袋で行うそうです。
(こんな時だからこそ、許される使い方かもしれません。静電気や熱には十分注意)
 これだけのことをしてまでもタブレットを使うのには、「3密」を避けながらも子どもたちの学びを保障していこうとする姿勢からだと思います。

★ 子どもを守る、職員を守る
 さて、とっても難しい課題があります。それは、職員室です。想像してください。職員室の先生方の机の配置と机上の様子を。かなり密な配列がされ、たくさんの資料や本が山積み、空いているスペースなどほとんどないのではないでしょうか。子どもたちの安全を守るためには、子どもたちの前に出る先生方が安全な環境で仕事ができていなければならないはずです。毎日、毎時間かは分かりませんが、定期的に机上の消毒・除菌をする必要が出てくるのではないでしょうか。「3密」を避けるのは、子どもたちだけでなく、先生方も同様のはずです。
まずは、机上の整理整頓から。(ICTに関係ありませんでした。)