活用事例

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スクールWebアシスト活用事例


学校を進化させましょう(大西)

ほとんどの地区で学校が再開されていると思いますが、その状況はまちまちだと思います。子どもたちを2つのグループに分けて隔日登校とし、オンライン会議システムを使って通常の時間割で校内と家庭同時に授業をしている学校もあります。登下校や給食、掃除の進め方などの工夫に多くの労力を割かれ、授業は子ども同士の接触を避けるといった指示だけで授業者の裁量に任されているという学校もあります。接触を避けながらどうやって子ども同士のかかわりを生み出そうと悩んでいる先生もたくさんいらっしゃいますし、自分がしゃべる量を減らして、板書を増やして子どもたちに写させることを中心にしている方も目にします。教科書すべてを授業で網羅するのではなく、学校ではどこを中心にどんな活動するのか、家庭ではどんな学習を求めるのかを考え工夫している先生もいらっしゃいます。
どれが正解ということはありませんが、この事態に対応するためにどの先生もいろいろな工夫をしています。

ただ気になるのが、「いつになったら以前に戻れるのだろう」「早く以前と同じに戻ってほしい」と今の状態を一時的なものと考え、新型コロナウイルスが登場する以前に戻ることを願っている学校や先生が一定数いることです。今回の新型コロナウイルスによる学校の変化は一過性のものではありません。ICT機器の活用が進み、授業の進め方も不可逆的に変わっていきます。以前と違った授業がよいということではありません。今行われている授業と以前の授業を比較し、それぞれのよいところと課題を評価しながらよりよい授業へと進化させることが大切です。「今までの授業ではほとんど質問や発言しなかった子どもがオンライン授業では自分の意見を発信したり質問を送ってきたりした。これまでの授業で発言しにくい雰囲気をつくっていたのかもしれない」と授業を見なおすヒントを得た先生もいらっしゃいます。
学校全体が進化していくためには、こういった先生方の学びを共有することが大切になります。週案などに書かれたよい気づきを統合型校務支援システムで公開して共有するのも一つの方法です。また、日常的に授業を見合い、互いのよいところを学び合うこともとても有効ですが、いまの状況では物理的に難しいかもしれません。管理職を中心に先生方の授業を積極的に観察し、よい点を評価して学校全体に共有していくことが求められます。統合型校務支援システムを活用して内部に発信し、先生同士の交流のきっかけにするとよいでしょう。授業のよいところやポイントを動画とコメントで簡単に紹介する授業アドバイスツール(EDUCOMで開発、実証実験中)などもこれから世に出てきます。先生方が試行錯誤しながら授業を変えようとしている時だからこそ、それを評価し、共有し、学校全体でよりよいものにしていく工夫をお願いしたいと思います。

発信するという視点では、ホームページで授業を紹介するのも有効です。地域や保護者に学校がどのように変わろうとしているのかをわかりやすく伝えることができます。全国一斉の休校措置から続く一連の動きで、世間の注目は学校に集まっています。マスコミを通じて連日のように学校の様子が紹介され、ホームページなどでも各学校の取り組みを簡単に知ることができます。学校ごとの取り組みの違いが保護者の目にもはっきりと見えています。他の地域と自分の子どもたちが通う学校を比較して、なぜこのような授業をやらないのかと保護者が声を上げる時代になりました。他の地域と比較されてこうしてほしいと言われても、現場の環境は異なるので同じようにはできません。学校の環境がどうなのか、その上でどのような工夫をしているのか、そのねらいや意図を含めてわかりやすく伝えることが大切です。環境のせいでできないと言い訳をするのではなく、その環境の中でできることを工夫していることを伝えるのです。環境が整うことを待っているのではなく、常に工夫して対応していることを知ってもらうことで学校への信頼は増すはずです。今後、信頼を得る学校、なくす学校の差が大きくなると予想しています。

今学校は変革の波の真っただ中にいます。この状況を一時的なものとみて、早く元に戻りたいと願うのではなく、環境の変化に適応して、学校を進化させることを意識してほしいと思います。

保護者の声に耳を傾ける姿勢を見せましょう(大西)

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新型コロナウイルによる休校で、学校と保護者の連絡手段としてホームページが大きな役割を果たしました。子どもの姿で伝えよう(大西)でも述べたように、学校の再開後もその重要性はますます高まります。保護者はニュースなどで先進的な学校の安全対策や授業への取り組みなどが紹介されると、自分の子どもの学校はどうだろうとホームページを見ることと思います。その時、安全対策などの情報や子どもたちの様子がきちんと公開されていれば安心できます。逆に、更新が止まっているようだと不安を抱かせてしまいます。たとえ情報が公開されていても、紹介されていた取り組みと比べて見劣りすると、なぜ同じようにできないのかと疑問を持たれるかもしれません。地域や学校ごとに置かれている状況は異なるので同様にはできないことも多いのですが、保護者はそのことを理解できていないので、どうしても疑問や不満に思うのです。それでも、直接学校に電話して質問する方はまれです。学校が大変な時期であることはわかっているからです。自分の気持ちを吐き出せずにもやもやした気持ちを抱える保護者も一定数いることになります。学校も、保護者から質問をいただければきちんと説明できるのに、保護者の不安や不満を解消する機会を失くしています。

この問題を解消するには、保護者の疑問や不安、不満を学校の方から聞く姿勢を見せることが大切です。すぐに思い浮かぶのはアンケートですが、紙のアンケートでは保護者も学校も負担が大きく、回収率を上げることも難しいです。また、学校再開後はどうしても想定外のことがおきたり、不備があったりします。その改善には保護者から素早く情報をもらうことが必要です。ホームページや双方向の連絡システムのアンケート機能を活用することが有効です。例えば、子どもの様子や不安を選択肢で回答してもらうと同時に自由記述欄を設け、心配事、疑問何でもよいので記述してもらうのです。学校が一人ひとりの子どもの様子を気にかけている、保護者の疑問や不安を聞こうとしてくれていると感じるだけで不安は和らぎます。
ここで注意しなければいけないのは、アンケートの後どれだけ素早くレスポンスするかです。この点でもネットを活用したアンケートシステムは有効です。回答の集計やグラフ化は一瞬でできます。また、双方向のシステムでは確実に保護者に届きますし、既読かどうかも確認できるので、アンケートの期限を短くしてすぐに集計に入れます。アンケートの結果が忘れたころに公表されるといったことはありません。
もう一つ注意すべきは、集計結果を公表するだけでなく、簡単でよいので必ずその結果に対して学校の考えを伝えることです。保護者からの回答を学校ではどのように受け止めているのか、特にネガティブな回答に対しては、具体的にそうなっている理由や対応を伝えることが必要です。たとえ実現が難しい要望であっても、その裏にある保護者の思いに寄り添い、難しい理由をてていねいに説明して理解を得ようとすることが大切です。要望が通らなくても、学校が真摯に受け止めてくれていると感じれば、学校は聞く耳を持っていると納得してくれます。不安や不満を減らすと同時に学校のへの信頼を増すことにつながっていくのです。

学校再開後は、保護者からの信頼が学校経営にとって今まで以上に大切になります。そのためには、学校が聞く耳を持っていると保護者に感じてもらえることが何より大切です。忙しく余裕のない時だからこそ、積極的に聞こうとする姿勢が求められます。ネットを活用したアンケートシステムを上手に使って、保護者の信頼を得てほしいと思います。

(株)EDUCOMでは、アンケート機能付きのホームページ作成ソフト「スクールWebアシスト」と、学校と保護者を結ぶツール「C4th Home & School」を現在無償提供中です。是非この機会をご活用ください。

子どもの姿で伝えよう(大西)

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新型コロナウイルスによる休校からの学校再開が一部の地域を皮切りに進み始めています。とはいえ、新型コロナウイルスの脅威が完全に去ったわけではありません。学校では子どもたちの安全を確保するために多くの対策をとることが求められます。地域や学校の状況によって異なりますが、机や昇降口の消毒といったことも先生方の負担となっているところもあります。除菌シートを求め、先生方がスーパーマーケットを手分けして探しているといった話も聞きます。学校の再開は先生方に大きな負担をかけることになります。それでも先生方は嫌な顔をせずに子どもたちの安心安全のために全力を尽くされるのだと思います。頭が下がる思いです。

子どもたちの安全のために、座席の配置や給食の配膳方法など新しいルールや方法が考えられ実施されることと思います。先生方は子どもたちにはそのルールの意味や大切さを毎日の生活の中できちんと伝え、徹底されると思いますが、ここで忘れないでほしいのは保護者の中には学校再開を不安に思っている方もいるということです。そういう保護者のためにも学校がどのような安全対策をするのかを正しく伝えることが大切です。伝えるということは単に対策を書いた紙を配ればいいのではありません。保護者が不安なくお子さんを学校に送り出していただけて初めて伝わったということです。

学校の安全対策は多岐にわたります。その一つひとつをていねいに説明すると膨大な量になります。文部科学省や教育委員会からの通知をそのまま載せて、これに沿って対応しますといったものは論外にしても、せいぜい、代表的な対策を例にして、「三密をさけて」「しゃべる量をへらす」といったキーワードを使って大まかな方針、方向性を伝えるにとどまらざるを得ません。十分とはいえないまでもこういった文書を配布することは重要です。紙で配布するに加えてホームページで文書を公開することもよい方法ですが、それでもすべての保護者が目にするとは限りません。伝えたい人に確実に伝わる方法が必要となります。保護者全員、特定の学年学級の保護者を選択して、必要な情報をスマホのアプリを通じて届けることや、アンケートをとることができるツールを利用している学校もあります。緊急配信用のメールを利用してもよいでしょう。まずは、保護者の手元に確実に情報を届けることが必要です。

しかし、先ほども述べたように、文書では学校側が行っている対策を伝えきるのは限界があります。そこで威力を発揮するのが、ホームページの記事です。授業の様子の写真と共に、「ソーシャルディスタンスを確保するためにこのような配置をしていますが、子どもたちは元気に頑張っています」「話すことを削減するために、サインを出して自分の考えを伝え合っています」と説明を付け加えるのです。休み時間の様子や給食の様子、学校がとっている安全対策を子どもたちの姿と共に説明することで、わかりやすく納得のいくものになるはずです。合わせて、保護者の手元に記事の更新やリンクを伝えることで、確実に学校の安全対策が伝わり、理解を得ることができると思います。

子どもが登校するようになれば、課題の指示や配布の必要性がなくなるので、ホームページでの発信は少し休んでもよいと考える学校もあるかもしれませんが、それは間違いです。保護者に安心してもらい、学校の信頼をえるためにも今まで以上にホームページでの発信を心がけてください。

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この事態における学校と保護者と地域四方山話 みんなで一緒に安心安全な学校を!編 <栗木>

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 学校再開に向けて、各校で様々な対応を考えていらっしゃると思います。取り巻く事情はそれぞれに違うのですから、学校ごとの工夫が必要になってきます。「お帰りなさいプロジェクト 〇〇モデルを作ろう!」と、全職員が分担してアイデアを出し、再開に向けてのシミュレーションをしている学校もあります。

感染予防は、二重三重に考えます。ひとたび感染が起きれば、最低でも1か月単位の待機になるのですから、ここまでやるのかというぐらいの徹底が必要です。そこには人員の確保や費用、環境、物資不足など、様々な困難も生じます。そんな時、学校の外に視野を広げてみませんか?学校にはそれを支えてくださる保護者や地域という、強い味方がいるではありませんか。その力を頼らず、学校だけで何とかしようとしていませんか?一生懸命考えれば考えるほど、学校は学校の中だけで解決しようとする特性をもっています。もっと視野を広げればよいアイデアが出てきたり、支援者が出てきたりします。眠らせておくのはもったいない。違う視点でいえば、地域の財産を活用するのも学校の役割の一つです。今こそ、学校が学校で完結しないで、「私たちと一緒に安心安全な学校作りをしましょう」と声を出す時です。「困ったらSOSを出す。困っていると言われたら手を差し伸べる。」それが「自立」です。

1 保護者の声を聴く
 再開に際して、いち早く理解と協力をお願いするのは当然保護者です。登下校の送迎、体調管理などこれまで以上に家庭に委ねることが多くなります。何よりも、ご家庭がお子さんの安全に高い関心を寄せていらっしゃいます。各学校での対応を一早く決め、周知をしていくことです。「学校はこういう対応を考えています。」と具体的な対応を示し、加えて「ご心配なことはありませんか?足りないことは何ですか?」と聴いてみてはどうでしょう。ご高齢者のいる家庭、医療従事者である保護者など、家庭事情によって心配する観点も異なります。すべてを網羅することはできないとしても、「聴く耳」をもち、時には個別対応も考えていく姿勢が安心につながります。ある学校は、希望保護者にモニターとして学校参観をしてもらい、ご意見をいただいた上で修正していくことを検討しています。それが「一緒に作る」ことです。
 そのうえで、お願いすることもたくさんあります。保健室対応もその一つ。体調を崩した時、一時的に預かることもこの事態ではできません。いつでもすぐに連絡がつくことと、いち早く迎えに来てもらうことを強く依頼していくことです。文書やメールだけでは意図が伝わりにくいもの。直接電話や対面でお願いしましょう。

2 支援者を募る
 感染予防のため、校内に教職員以外の人が入ることを心配する気持ちはわかりますが、人員不足により安全が守れなかったという事態にならないためには、地域や保護者の支援を募るのも一つの手段だと考えます。例えば、「給食ボランティア」「授業見守りボランティア」などはいかがでしょう。給食配膳はこれまでのような給食当番制はできません。先生だけではなくお母さん方に手伝ってもらうのです。授業はT2を地域の教員OBにお願いしてみましょう。授業研究もできて一石二鳥です。

3 物資支援を声にしてみる
 学校を、子どもを守るために、これがあれば・・と思いながらも、諦めてしまうことはありませんか?また、校内だけで何とかしようとしていませんか?社会には、誰かの役に立ちたいと思っている人たちや企業がたくさんあります。畑違いの商品を作って社会貢献してくださっているのもその一つだと思います。地域にある商店、企業、あるいは個人、きっと学校の、いや子どもや先生のために役立ちたいと思っている方がたくさんいるはずです。「こういうのを作って助けてもらえませんか?」と申し出てみましょう。それが地域を活性化することにつながるのですから。

 最後に、学校の対応が形になったとき、必ず第三者に客観的に見てもらうことをお勧めします。先述の保護者モニターも一つですし、地域有識者のアドバイスをもらうこともできます。自分たちで何とかする・・それはそれで立派な心構えです。でも、これからの社会はそれだけではたちうちできません。だから「社会に開かれた教育」をするのです。いかに多くの仲間を集うか。まずは学校が、その姿勢を示しましょう。

「学びて思はざれば則ち罔し 思ひて学ばざれば則ち殆し。」です。

この事態における学び合い 先生の挑戦と生徒の思い <栗木>

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小学校では今年から、新学習指導要領に基づいた教育が完全実施です。というよりは、完全実施されるはずでしたという方が妥当でしょうか。今学期が始まっていない学校が多いのですから。

新学習指導要領には、「これからの社会が、どんなに変化して予測困難になっても、 自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。」という願いが込められています。改訂の考え方として強く打ち出されてきたのが、「主体的・対話的で深い学び」を目指す授業改善です。教師の教えを一方的に受信する教育や知識・技能の習得を急ぐ教育ではなく、子どもが主体となってわからなさや困難さに自ら向き合い、仲間と協同しながら探究、思考、発見、創造していく「学び」にあふれた授業が大切です。ところが、今、その「学び」の場が奪われています。まさに、「予測困難」な事態が起こってしまったために・・。

世間では長期化する休校に、学習の遅れを危惧する声が高まり、各自治体や学校が工夫して、子どもたちの学力を保障しようとしています。ここでいう「学力」が、単に知識や技能の習得だけであってはならないと考えます。学力は「学び力」です。探究し、思考し、発見し、創造していく力がストップしてしまうことを恐れています。

ここに、離れていながらも僅かなつながりを活かして、「学び力」の継続に挑戦した一人の先生の工夫と生徒の思いを記します。
一公立中学校の社会科の先生です。二年生で歴史を担当していた昨年度末、全国一斉休校により単元の一部を積み残して終えることになってしまいました。四月になっても休校は続き、加えて、新年度は担当学年が変わることになりました。生徒たちは社会を、そして学びを楽しみ、なぜだろう、どうしてだろうと、同時代性に立って歴史を考えることを身に付けてきました。何とかして学び力を継続させたい、そう思った先生は、オンライン授業を考えました。オンラインといってもその学校にあるのは、学校ホームページと学校メール。一人一台のPCもありません。それでも、一方的な知識の伝達にならない方法はないか模索し、たどり着いたのが動画配信とメール送受信です。

教室で行われていた授業は、毎時間資料の提示から始まります。歴史ならば風刺画や当時を反映した絵画等が主です。生徒はそこから気づいたことや気になったこと、浮かんだ疑問を見つけ、仲間と対話しながら探究し、考えを繋ぎながら当時の人間の生き方や思想に迫っていくという授業でした。それと同じことを動画で行ったのです。一本目の動画は課題提示として資料を投げかけます。生徒には気づきをメールで送ってほしいと伝えました。始める前、返事は来ないと思っていたそうです。ところが、予想に反して初日から返事がきました。しかも複数。「上の絵は、何かが燃えていて、それを見て人々が喜んでいることに気が付いた。」「真ん中の絵は、武器を持って反乱している人々を政府の人達が止めている様子かなと考えた。また、上で燃えているのも反乱の一部なのかなと考えた。日露戦争に勝ったばかりなのにどうしてだろう。」これらを先生がつなげ二つ目の動画にして配信します。それを見た生徒がまた考えたり調べたりして考えを深めます。「僕は、この頃の国民は政府に『もっと戦争をしろ』というだろうと考えた。なぜなら日清戦争・日露戦争と二回続けて勝っていて、国民は苦しくても国自体は一度も攻撃されたことがないから、国民は負けることについてあまり考えないだろうし、日清戦争では賠償金がもらえ、いい思いをしただろうから、国民は『戦争をして勝てばいい思いできる』という考えになりそうだなと考えたからである。」というようなふり返りがメールで送られてきて、それをまた3本目の動画で紹介します。これを続けること約1か月。回を重ねていくうちに参加生徒も増え、最後の動画にはこんなメールが。「毎回メールすることは出来なかったけど、ただ教科書を見て暗記するだけでなく、ちゃんと考えて勉強できました。3年生なっても、話し合いと発言を大事にします!」
 
さらに予期せぬプレゼントが届きました。生徒の代表がラインで仲間の声を集め、先生にお礼のメッセージを送ってきてくれたのです。半数以上の生徒が参加していました。「人とかかわらないことがどれだけ人をだめにするか。かかわることの大切さを学べるのは学校がもつ意味の一つ。」先生の信念と愛情が生徒の心と学び力を動かしました。

この先生の挑戦は今、全教員に広がり、学校を元気にしました。顔は見られなくても心はつながります。つながることで学びは続きます。また、学びはその学級の先生と児童生徒のあうんの呼吸で育まれるもの。学級色豊かな学びが続いていくことを願います。

、「スクールライフノート」の機能を使えば、こういうつながりが生まれることも記しておきます。

ピンチをチャンスに変えよう(大西)

ピンチをチャンスに変えるとよく言われますが、今回の新型コロナウイルス対応のピンチをチャンスにできる学校は何が違うのかを考えてみたいと思います。

公立の学校では国や設置者である市町の教育員会の判断・指示に従うことが必要です。そのため今何をすべきかを自校で判断できない、また積極的に考えようとしなかった学校が多かったかと思います。もちろん、その一方で、今子どもたちに必要なことは何か、自分たちにできることは何かを考え実行した学校もたくさん目にします。学校全体でこうしようと考え判断したところもありますし、先生方が一人ひとりで今自分にできることを考え工夫している学校もあります。結果に100%満足できなかったとしても、自分たちで考え工夫し実行したことは先生方に大きな手ごたえと自信を感じさせたのではないでしょうか。やがて学校は再開されるでしょうが、未知の状況で新しい学校運営が求められることになります。この時、自分たちで考え・判断して行動した達成感は大きな力となると思います。ピンチがこれからの学校をつくるための基礎体力をつけるチャンスとなったのです。

質はともかく、この事態に対して私立学校の多くは素早く対応しているように思います。公立と違って自校単独で経営判断できることが大きな要因と思います。
公立の学校にそのまま当てはまらないことが多いかもしれませんが、私立の中学校高等学校での取り組みを紹介します。1人1台にiPadがある恵まれた環境だからできることが多いのですが、学校が、先生が変わるために大切なことが見えてくると思います。

政府による臨時休校措置の要請を受けた時には既に学期末だったために、目先の授業進度のことはそれほど大きな問題ではありませんでした。そこで今後のことを考えてICTの活用研修を集中的に行いました。この学校では役に立ちそうなアプリケーションやサービスを積極的に導入しています。有料のものも導入されていますが、一度導入したからといって翌年以降も自動継続というわけではありません。私立の学校は生徒や保護者からいただいているお金という意識が強いので、活用しながら積極的に見直しと入れ替えを行っています。新しいものが入ればその都度研修が必要になりますが、積極的に参加する先生ばかりではありませんでした。しかし、今回のことで、課題配布や提出にICTが有効なことはどの先生も実感しました。予想以上に多くの方が前向きに参加し、学校で使えるアプリケーションやサービスについての基礎的なスキルを身につけました。

積極的な先生は、休校中にオンラインで講演会を開き振り返りを全体で共有するといった先進的な取り組みを行いますが、誰にでもすぐにできることではありません。研修は受けたものの、課題のやり取りをオンラインで行なう程度にとどまる先生がまだ多数でした。この状況を変えたのが、新学年になっても休校が延長されたことです。「このままではいけない」と、先生たちの中に危機意識が生まれてきます。子どもたちの「学びを止めない」が先生方の思いとして共有されました。このことが、ピンチをチャンスに変える原動力になったと思います。
できることをやってみよう。教科主任会が中心となって、ゴールデンウイークまでに一度はオンラインで双方向の取り組みに挑戦しようと呼びかけました。これを使ってこうやってくださいと具体的に指示するのではなく、自分にできることをやろうという呼びかけでした。先生たちは交代で自宅勤務ですので、直接会って相談することもなかなかできません。どうしていいかわからない、何をしようかと悩む先生も多かったと思います。ここでポイントとなるのがホームページを活用した先生方の取り組みの見える化です。学年での取り組みや学級、教科での取り組みを簡単に紹介するのです。
同じように課題を与えて提出させるといっても、通常のワークシートをデジタル化しただけのものもあれば、自分で制作した自己アピールの動画や英語のスピーチといったものもあります。中国のある時代の成立から滅亡までをいろいろなツールを活用してグループごとにスライドにまとめるといった世界史の課題もありました。作ったスライドはオンライン会議システムを使って発表し、その評価をいろいろなツールを活用して共有します。事前に動画を見てからそれぞれ振り返りを提出し、よくわからなかったところを中心にオンラインで解説する授業もあります。また、ネット上でグループの考えをしゃべりながら、共通の画面で作業しまとめ、授業者は子どもたちの作業中はオンライン会議システムの音声だけを使って支援する道徳の授業も行われました。同じようなツールを使っても先生ごとに多様な試みがなされています。
自宅勤務が続きコミュニケーションが取れない時だからこそ、他の先生がどのような取り組みをしているのか気になります。取り組みの様子がホームページ上で紹介されることで、よい刺激とたくさんのヒントが得られます。多様な取り組みがあるから、自分にできそうなことが見つかるはずです。実際にオンラインの授業に挑戦した先生は子どもたちの関わりたい、学びたいという思いを痛いほど感じるようです。オンラインでの取り組みに挑戦する先生の姿がどんどんアップされていきました。
ホームページの記事の中で、「こんな時期だからこそ、自らの興味からより深い内容を追究していける力をつけてくれることを期待しています」といった、先生の思いが書かれていることがあります。ふだん他の先生の授業に対する思いを聞くことは意外と少ないものです。こういう思いを共有することも、先生方が授業を変えていくエネルギーにつながっていくと思います。
もう一つ鍵となるのが、校長の発信です。強制するのではなく、各自でできることに取り組んでもらい、その取り組みを共有する環境をつくった上で、ホームページ上で先生方の取り組みを価値付けしています。こういう状況だからこそ、ホームページは保護者や地域だけでなく、先生をつなぐ道具としても有効になっています。

今回のピンチをチャンスに変えるためには、機器の整備や研修といった環境面の課題が多いことは間違いありません。しかし、環境面が整っているから上手くいくとは限りません。授業と学びコラム「できない理由を探すことより、できることから始めましょう(大西)」でも述べましたが、現在の環境の中でできることからとにかくやることです。それが学校全体の取り組みでなくてもよいのです。たとえ個人の取り組みでも、一人ひとりができることをやろうとする空気をつくることが大切です。管理職は、「できない人がいるからやらないように」と足を引っ張るのではなく、その取り組みを共有し、「できることをやっている」ことを価値付けしてほしいと思います。その有効なツールがホームページです。ピンチをチャンスに変えようとしているかどうかはホームページに現れると思います。
今回のピンチをチャンスに変えることができたどうかは、学校再開後にはっきりするでしょう。一校でも多くの学校が、チャンスに変えられることを願っています。

この事態における学校と保護者と地域四方山話 できるといいなあ編 <栗木>

前回は現職としての体験を記しました。今回は、現職を離れて、こんなことができるといいなあという願いを込めて記します。

2重構造できるといいなあ
前回の最後に、学校ホームページ作成機能を使って、卒業式の様子を配信したことを書きました。卒業式に限らず学校で何かあると、アクセス数が急増します。時には児童生徒数の数倍になることもあります。アクセス数はいわば、その学校への関心度のバロメーターだとも言えます。今、この事態になって、学校ホームページが学校と児童生徒・保護者をつなぐ大きな役割を果たしていることは間違いありません。ある地域では、ホームページで先生方が児童生徒に励ましの言葉を伝え、それを見て「帰る場所がある」と子どもたちが感じたというすてきなニュースがありました。学校ホームページは心の拠り所でもあるという証です。それは児童生徒と保護者だけではありません。ホームページの一画から校歌を聞けるようにしたら、瞬く間に卒業生に広がったという話も聞きました。地域の方々、今までその学校に携わってくださった教職員、そして卒業生。皆さんがいつまでも学校を応援してくださってホームページを見てくださいます。それだけに、学校はより多くの応援者を意識した発信をする必要があります。同時に全世界に発信されているのですから、守るべきものも多々あります。このことからも、「C4th Home&School」で学校と保護者、児童生徒ががっちりつながり、同時にちょっと広い視野に立った発信を、ホームページ機能で行う、2重構造で行くという方策ができるといいなあ。

双方向できるといいなあ
学校ホームページや緊急メール配信を使っての学校としての発信は、多くの学校で行われています。しかし、ふと不安になることはありませんか?一方的な発信ばかりでよいのだろうかと。この事態になって児童生徒にも会えない今、求められるのはやはり双方向のつながりです。ある学校でこんなことがありました。生徒会執行部が学校ホームページを使って、全校生徒にある呼びかけをしたいとお願いしたそうです。その呼びかけとは、「こんな時だけど一日ひとつ、誰かを幸せにしよう、幸せをもらおう」というプロジェクトです。学校では会えないけれど、生徒会が大切にしてきた互いの良さやがんばりを認め合う活動を続けたいからと、それを学校代表メールに報告してもらって、ホームページで紹介することにもしました。呼びかけの翌日、早速生徒からメールが届きました。予想外に、保護者からもメールが届きました。そこには、「暗いニュースばかりが続く毎日、先生や生徒会の皆さんの取り組みを知り、涙が出ました。」「書きたいことはたくさんあります。でもまずはありがとうと伝えたいです。」と書いてありました。生徒も先生も心がほっこりして、つながりのリングができました。生徒会はさらに、学習する意欲づくりにつながる働きかけを生徒同士でできるチャットのようなものが学校ホームページにもあったらなと願っているそうです。
どんな事態になっても、いやこんな事態だからこそ、みんなが前を向けるのは、互いの「声」が交わせるからです。児童生徒・保護者・地域と学校が双方向コミュニケーションできるといいなあ。

開催できるといいなあ
昨今、多くの地域で「コミュニティスクール」が導入され、「学校運営協議会」が立ち上がっています。導入はまだでも、「学校評議員会」制度を取り入れている学校もあるのではないでしょうか。通常4月5月に、第一回目の会が実施されます。さて、今年はどうなのでしょうか?「三密」を避ける意味で見送られるかもしれません。個人的には、この事態だからこそ学校運営協議会が開催されることを望みます。そこで今、学校で起きていること、困っていることや望んでいることなどを伝え、保護者代表から家庭での様子や要望を聞き、それをもとに今できることを熟議することも可能です。児童生徒が外に出なくなって、地域の方にも子どもたちの様子が見えにくくなっていることでしょう。学校の中で何が起きているかが見えなければ、社会に開かれた教育の実現は難しく、一昔前の学校に逆戻りです。今こそ、学校運営協議会を開催して地域・家庭・学校が一体となるときではないでしょうか。そこで、できるといいなあの3つ目は、三密を避けるためのオンライン会議です。政府の示した「新しい生活様式」にも、オンライン会議の推奨が盛り込まれました。今すぐのオンライン授業はハードルが高くても、校内にそれができる環境が一つでもあれば、まずは大人がそれを体感することから始められます。メリットデメリットも体感して初めて得られるのですから。この事態が収束したあとも活用できれば、来校して参加する委員と家庭から参加する委員があって、出席者も増え、より多方面から熟議できます。開催できるといいなあ。

できない理由を探すことより、できることから始めましょう(大西)

今回の緊急事態宣言で、学校と子どもたちのつながりこれまでなかったほど分断されてしまいました。子どもたちや保護者との直接のコミュニケーション手段が制限されてしまった今、子どもたちの状況を何とかして知りたいと先生方は思っていることでしょう。学校休校でも先生方はこの状況に対応するため忙しく働き、頭を悩ませていることと思います。

学校がこのような事態に対応するために持っているリソース(資源)は限られています。そのリソースをどのように使うかが状況改善の鍵となります。
学校では平等であることを非常に重んじます。今では普通になった保護者への一斉メール配信も、「携帯を持っていない保護者がいるから全員には知らせられない」といった理由ですぐに実現しなかったことを思い出します。この他にも、「緊急なのにすぐに見ない人はどうする」「個人情報の問題でメールアドレスを教えてもらうことはまずい」といったことも実現を妨げる理由となりました。
ここで考えてほしいことは、2つあります。一つは、全員同じでなくてもそのことで大多数に大きなメリットがあれば、やるべきだということです。だからといって少数を切り捨てろということではありません。少数への対応をていねいにすればいいだけなのです。携帯を持っていない、登録を拒否する方への代替手段を講じればよいのです。
もう一つは、できない理由ではなく、そのできない理由をクリアすることを考えることです。ネガティブを見て止まってしまうのではなく、ネガティブを克服すれば前へ進めると考えるのです。メール配信をすぐに見てくれないことへは、「事前にこのような事態になったときは、メール配信で連絡します」とくり返し周知することや、ホームページや電話連絡などの代替手段を考えることです。私が開発のお手伝いをしたシステムでは、メールを読んだことを知らせてもらう機能をつけ、読んでない方には別の方法で知らせるようにしました。また、個人情報であるメールアドレスを登録するのに、学校からは登録サイトを保護者に知らせるだけにして個人情報を直接管理しないようになっています。要はできるようにするために工夫をすることなのです。

子どもたちの様子を知りたいという先生から、オンラインの会議システムを使いたいという要望をよく聞きますが、それに対して、全員を対象とできないからとそこで検討を止める学校と実現する方向で知恵を絞る学校とに分かれています。地域によって学校や保護者の状況は違いますから一概には言えませんが、オンライン会議に参加できる環境があるかを調査し、条件を満たす子どもが一定数いるので、できない子どもには学校の機器を貸与して実現している学校もあります。一方、全員と連絡できない、用紙を回収して集計が大変・・・といったことで、環境の調査すらしていない学校もあります。

子どもの課題を先生が一生懸命印刷して、子どもたちに時差出校させている学校もあります。ホームページを通じて各家庭でダウンロードしてもらい、その環境がない子どもにだけ紙で配布している学校もあります。全員同じにこだわらず、学校にある限られたリソースの一つであるホームページを有効活用しようとする姿勢があるかどうかの違いで状況は大きく変わるのです。

そしてもう一つ、こういった柔軟な対応を妨げるのは学校や先生の横並び意識です。ある学校が先陣を切って新しい対応をすると「あの学校がやっているのに何でやらないのか」といった苦情が保護者からくるので、全員で足並みをそろえようと待ったがかかる。ある先生が子どもたちへのメッセージを動画でアップしたいと言ったら、「私はできないからやってもらっては困る」と止められたりすることもあります。今は非常時です。少しでも子どもたちプラスになることを素早く実行することが求められます。そうではなく、「私たちもやりたいから教えて、手伝って」と言ってほしいのです。

アンケートをつくってオンラインで集計することができるホームページシステムもあります。全員に電話で様子を聞くことは大変ですが、こういったアンケートを使うことで、手軽に子どもたちの様子を知ることができます。連絡のない子ども、アンケートの結果が気がかりな子どもに対象を絞ってていねいに対応することができます。学校と保護者の双方向の連絡ができるシステムを使えばより緊密なコミュニケーションをとることが可能です。こういったシステムがないからできないと諦めるのではなく、少しでもそこに近づけるよう工夫して動いてほしいのです。
企業も学校を助けるためにいろいろな支援を無料で行っています。無料だと言っても使うためには準備も手間もかかります。それを乗り越えようとするかどうかの姿勢が問われているのです。

今回の事態への対応が、これからの時代に対応できる学校かどうかの試金石となります。子どもたちのために学校や先生が何をやろうとしているかを地域や保護者もみています。できることから始めましょう。

この事態における学校と保護者と地域四方山話 実体験編 <栗木>

 世界中で、人類の「生命」を守るための取り組みがなされています。医療現場でご自身や家族の危険を感じながら懸命な治療にあたってくださっている多くの人々、感謝の言葉も見つかりません。事の大小を問わず「生命」の安全確保に向けて自粛したり、知恵を出し合ったりしている今、「想定外」の出来事の連続に葛藤しながらも、今まで築いてきたものを根本から見直す、そんな機会が訪れています。とりわけ学校は、その「見直し」を最も余儀なくされています。しかし、現実は、休校に次ぐ休校で「見直し」どころか「やり直し」の連続。正直疲れてしまっている学校関係者も多いのではないでしょうか。その気持ちは痛いほど理解できます。

というのも、個人的な話になってしまいますが、この3月末まで現職として学校現場にいたからです。コラム一回目はその経験と感じたことを「生き証人」として記します。
 
昨年末頃から囁かれ始めたコロナ感染への心配。大変なことになりそうだと思いながらも、どこか他人事でした。目の前に迫った卒業式に向けて学校が一丸となって動いていた時期でしたから。2月末、状況は一転しました。教頭という立場上、様々な決断や先を見越しての準備はもちろん、地域や保護者への説明や対応にも追われました。一つ計画して対応しても次の日には違う事態になってやり直し。次の日ならまだしも朝と夕方では対応を変えないといけないこともありました。緊急メール配信には大変お世話になりました。お詫びの連続でしたけれども。
 
中でもつらかった対応は、「卒業式への来賓、在校生参加不可」の時です。勤務校は小規模校で地域密着型の中学校でした。保護者も地域関係者も「おらが町の子どもたち」として見守ってくださり、80%近い生徒が地域行事にボランティア参加する学校です。ある区長さんは「あの子たちを祝ってやれんのか」と残念がってくださいました。今でもその時の声が頭の隅に残っています。職業人体験でお世話になった地域の花屋さんが、「人が少なくて会場も寂しいでしょう、これを飾ってください。」と大きな大きな胡蝶蘭を貸してくださいました。生徒がボランティアで訪れていた児童館の職員さんが、「会場に入れないのならせめて」と手作りの横断幕をもって沿道から見送ってくださいました。つらいのは学校だけではなく、地域の皆さんも一緒でした。それでも学校に力を貸してくださることにただただ感謝でした。地域とともにある学校づくりをすすめてきてよかったと思いました。
 
卒業式で、地域の方々の思いを卒業生に伝えました。「皆さんを直接お祝いできなかったことをとても残念がっていらっしゃいました。皆さんは、地域の一員として今まで育ててもらいました。そして、これからもその一員であることに変わりはありません。地域を守り、地域を育てていける人としてこれからも温かい気持ちを大切にしていきましょう。」と。卒業生は頷いて聞いてくれました。学校のホームページ作成機能を使って、卒業証書授与の様子を掲載しました。ホームページをご覧になれないご高齢の方もいらっしゃるので、その写真と文章を通信にして回覧して頂きました。今思えば、出席いただけなくてもメールで餞の言葉を頂戴したり、あるいは通信をお礼の手紙に添えてお渡ししたりすればよかったと後悔しています。が、バタバタしているうちに退職してしまいました。
 
今回のことで、もしかして「来賓参加を見直せた」という方もいるかもしれません。でも、学校というのはやはり学校だけで完結するものではないし、教職員や児童生徒だけの場ではありません。いずれは地域に帰っていく児童生徒を預かって育てるのが学校です。新学習指導要領で求められている「社会に開かれた教育」の必要性を実感しました。また、今までやってきたことの本質が想定外の事態の時に表れるとも思いました。

 「見直す」のは時短のためではありません。「不易流行」、芭蕉の精神です。

この事態における教職員四方山話 「学校百景でつながる」(和田)

 学習の遅れをカバーするために、ドリル教材がたくさん売れているそうです。保護者としては、学習する手段がないと困るので当然の流れかと思います。ドリルや休校支援での動画配信等に加えて、各学校独自の学びを提供するためにHPを活用してはどうでしょうか。
 小学校6年、中学3年間登校しますが、子どもたちは学校のほんの一部しか見ていません。教室、特別教室など、ひょっとしたら1年生の学校探検からあまり広がらないまま卒業していく子もいるかもしれません。学校には学べる教材が山ほどあります。
 教科書には記載されていないけれど、この学校独自の教材をHPで紹介します。子どもたちが学校にあるものに興味・関心をもてるようになれば、各教科につながる学びになるのではないでしょうか。教科書から飛び出して興味・関心をもって主体的に学ぶチャンスでもあります。
 HPには、紹介している先生の笑顔と一言感想を添えましょう。
「私の学校の先生」は特別です。先生の笑顔を楽しみにHPにアクセスする子が増えます。
こんなのはどうでしょうか。例を紹介します。
百景1  学校の草花編
 桜は葉桜になってきています。つつじのつぼみがふくらみ、咲き始めています。
桜以外の木々も草花もたくさんあります。花の中にはおしべとめじべがあります。もっと詳しく観察するには理科室の顕微鏡を使います。
「次回は理科室訪問です。」と予告も付け加えます。
百景2  学校バックヤード編
 屋上のタンクを見たことがありますか? あれは何なのでしょう。
 学校では水も電気もガスも使っていますが、どれぐらい使っているのか知っていますか? 使った料金はどうやって払っているのでしょう。
家庭にはメーターがありますね。学校にもメーターがあるのです。メーターの単位については算数や理科の先生、家庭のメーターとの比較は家庭科の先生が話します。家庭のメーターや、支払明細を見てみましょう。
百景3  門、銅像編
 学校には正門近くに二宮尊徳、花壇近くには○○の銅像があります。また、正門、南門など全部で5つの門が学校にはあります。実は正門は移動したのです。昭和時代の学校の写真と比べてみてください(航空写真を添付)
     国語の先生の「二宮尊徳」の話につづく
     社会の先生の「この学校の歴史」の話につづく
 看板編(学校内設置のいろいろな看板)、音楽室編(さまざまな楽器紹介)、体育館編(さまざまなラインの意味)、廊下編(一番長い廊下は○○mなど)、母校の様々な景色に関心をもってもらう機会にしましょう。

この事態における学校でのICT活用四方山話 Stage1<神戸>

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 新型コロナウイルス感染拡大防止のために、多くの方がご努力されていることに敬意を表します。長年、学校現場でお世話になってきましたので、こんな時だから、何か力になれればと思いパソコンに向かいました。
 2020年2月27日午後6時過ぎ、安倍晋三首相から3月2日から春休みまで臨時休校の要請が表明され、各学校は臨時休校に入りました。しかし、春休みまでで解除されることはなく、現在5月末まで臨時休校を決定している市町村が数多くある現状が続いています。子どもたちは3か月近く登校することなく、生活をしているのが現実です。
 そんな中最近、「遠隔授業」「テレビ会議システム」「テレワーク」など、ICT機器を活用した授業や働き方を耳にします。文部科学省は、新型コロナウイルス感染対策に関する通知文や連絡文を出し、その中に「ICTの積極的活用」を書いています。
 今、ICTを活用して、学校で何ができるのか。何をやるとよいのかを語ってみたいと思います。あくまでも、個人の意見ですが。

Stage1 子どもたちとのつながりを
 子どもたちの学びを保障するのは、とても重要なことです。この重要な学びは、先生や友だちとふれあい、つながることからうまれるのではないでしょうか。自分一人で、学びを築き上げられる子どもは、そんなに多くないと思います。
 4月から、担任の先生とどれだけ会話をしたでしょうか。大好きなあの教科の先生の授業に、どれだけ参加したでしょうか。ほとんどゼロ時間です。まずは、子どもたちとつながれる手立てを考えていく必要があると思います。可能なら毎日、「先生たちは、あなたを見守っています。」と感じられるような取組ができると、子どもたちはどれだけ安心できることでしょうか。学校が再開されたときに、自分の居場所があるという安心感を、今作ってあげることが第一のように思います。電話を各家庭にかけるのもいいと思いますが、先生方も在宅勤務をはじめています。40名近い家庭に電話をすることは、大変な仕事になります。保護者にとっても、いつかかってくるか分からない電話を待つのは、辛いことでしょう。
 学校のホームページ作成機能を使って、子どもの健康観察を毎日行い、子どもたちとのつながりを築いている学校があります。ホームページ作成機能の一部にある外部アンケート機能を使って、子どもたちの体温・学習時間・今日の気持ち(心の天気)・先生と相談したいことなどを毎日学校へ送信するのです。先生はそれを見て、子どもたちの状況を把握し、時に電話やメールで話をしたり相談を聞いたりすることが可能になるのです。これが、子どもたちとつながる第一歩になると思います。毎日行うことで、子どもたちの家庭生活習慣のリズムの確立にもつながります。これだけで、子どもたちとつながるとは思いませんが、入り口にはなると思います。
 どうですか、やってみませんか。子どもたちの顔が見えてくると思います。

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